副業収入は雑所得か事業所得か?【会計事務所職員が解説】

こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。

近年、会社員などでも副業に取り組む方が増えてきて、就業規則などを見直し副業を公式に認める会社なども少しずつではありますが増えてきています。

そこで今回は副業収入の気になる確定申告について、特に問題となる所得区分についてお話していきたいと思います。

尚、各種副業で経費に算入できる費用についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご確認ください。

【最新 職種別節税対策】副業の経費はどこまで認められる?~会計事務所職員が解説~

副業が不動産賃貸などであればあまり問題にはならず、「不動産所得」として確定申告すれば良いだけです。

ですが、近年流行りのメルカリなどのアプリを利用した個人での物品売買や、「アフィリエイト」などのネット系ビジネスの収入、「プログラミング」などの個人受注、その他副業サイトなどで注目を浴びる様々なスキルの個人売買などとなるとどうでしょうか。

一般にこうした収入については「雑所得」として申告する方法が一般的です。

しかし、「雑所得」ではなく「事業所得」として申告ができると雑所得にはない様々な税制上の恩恵を受けることができます。

しかし一方で、誰もが「事業所得」を選択すれば認められるというわけではありません。

そこで今回は「雑所得」と「事業所得」の違いと、どうなれば副業収入を事業所得として申告して様々な税制上の恩恵を享受するかについて、現役会計事務所職員である筆者が解説していきたいと思います。

ちなみに、「副業収入20万円以内は確定申告が不要」という風に巷では言われていますが、これは半分ホントで半分はウソになります。

その理由についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、こちらも是非あわせてご確認ください。

副業収入20万円以内は確定申告不要って本当?【鵜呑みにすると危険!】

事業所得の税制上のメリット5つ

では雑所得と事業所得の税制上の違いはどういったところにあるのでしょうか?

事業所得で申告できた場合には、雑所得では得られない下記のような5つのメリットがあります。

青色申告特別控除が適用できる

事業所得の申告を青色申告で行った場合、10万円か65万円の「青色申告特別控除」が適用できます。

収入から経費を引いて計算した所得からさらに10万円か65万円を引くことができるので、雑所得と比べて節税につながります。

青色申告を行うためには、青色申告で確定申告を行いたい年の3月15日(1月16日以降に事業を始めた場合は開始後2か月以内)までにお住まいの地域の税務署に「青色申告の承認申請書」という書類を提出するだけですので難しくはありません。

65万円の控除の適用を受けるためには、事業に関係する財産や借入等の負債の状況を記した貸借対照表を添付することに加えて、発生主義による帳簿の作成などの条件を満たさなければいけません。

発生主義というのは、入金時や支払時に収入や経費を計上するのではなく、収入や支出の事実が「発生」した時点でお金のやり取りが終わっているかに関わらず、収入や支出を計上することをいいます。

例えば物の販売であればその物を引き渡した時点、あるいは支払であれば請求書を受領した時点などといったときにそれぞれ収入や支出を計上していくことになります。

65万円控除の取り方については、こちらの記事で詳しく解説していますので、是非こちらもあわせてご確認ください。

青色申告65万円控除の適用を受ける方法は?【会計事務所職員が解説】

ここでは一旦、

雑所得では取れない特別な控除が受けられる

とだけ理解していただければ大丈夫です。

家族への給料支払いが経費にできる

青色申告で事業所得の申告を行うと、家族への給料支払いが経費に算入できます。

この恩恵を受けるためには青色申告で事業所得の申告を行うことの他に、「青色専従者給与に関する届出書」という届出に誰にいくら給与を支払うかを記載して、お住まいの地区の税務署に提出する必要があります。

家族の方に副業の手伝いをしてもらった場合に、その家族の方へ給与を支払うことで経費を増やすことができます。

特に物販系の副業以外では多くの場合経費があまりかからずにできることがメリットである一方、税金の計算上はデメリットにもなり得ますのでこの恩恵はありがたいですね。

ただし、青色専従者給与の支給には事業を行っている期間の内の半分(通常は半年)以上の期間その事業に従事していることやその事業に専ら従事しているなどの要件がありますので、支給にあたっては事前に税理士などの専門家に相談されることをお勧めします。

30万円未満の物品の購入は一括で経費にすることが可能

通常10万円以上のものを購入した場合、「減価償却」といって何年かの期間で分割して経費に計上することになります。

青色申告で事業所得の申告を行うと、特例で年間に300万円までは1つにつき30万円未満の物品の購入を一括で経費にすることができます。

今年は思った以上に所得が出そうだ!

と思ったときには駆け込みで、極端な話12月31日の購入でも経費をつくることができるためこの恩恵も場合によってはありがたいものですね。

他の所得との損益通算ができる

事業所得で損失が出た場合には、給料や不動産などの他の所得と相殺することができます。

これを「損益通算」といいます。

損益通算が認められている所得は全10種類の所得の中でも、

「不動産」「事業」「山林」「譲渡(総合課税)」

の4種類だけです。したがってこの中にない雑所得ではできないということになります。

副業で赤字、ということはあまり無いかもしれませんがこれもうまく活用できれば節税に繋がることがあり大きな特典といえます。

3年間赤字の繰越しが可能

事業所得では赤字(欠損)が出た場合に3年間その赤字額を繰越すことができます。

翌年以降に出た黒字分と相殺することで、税額を減少させる効果があります。

これも先ほどの「損益通算」と同様、副業での赤字はレアケースかもしれませんが、うまく活用できれば大きな節税ポテンシャルを秘めている事業所得のメリットであります。

副業が事業所得と認められるための5つのポイント

さて、上記のように雑所得と比べて大きなメリットがある事業所得ですが、ではどうしたら副業収入を「事業所得」として税務署に認めてもらえるのでしょうか?

以下では副業収入が事業所得と認められるための5つのポイントについてみていきたいと思います。

営利性・有償性があるか

1番目のポイントは通常の副業であれば問題なくクリアできるものだといえます。

営利性・有償性とは、要するに利益を出す意図を持って妥当な価格によって取引をしているかという意味です。

反復継続性があるか

これも恐らく問題なくクリアできるポイントだと思いますが、反復継続性があるかというのが2番目のポイントになります。

反復継続性とは要するに同じ商売を繰り返し継続しているかということです。

たまたま一度や二度発生したような収入は当然のことながら事業とは認められません。

事業といえる程度の規模や社会性があるか

ここからは非常に微妙なニュアンスになってきますので、こうなれば大丈夫!といえる基準がないのですが、「事業」というからにはそれなりの「規模」や第三者からみても「事業」とみえる社会性が必要となります。

これは一例ですが、自宅とは別に事務所を構えていることや事業所名の入った名刺を持って営業などを行っているということであればその「事業性」が評価されやすいといえます。

相応の精神的・肉体的労務を伴うか

これも非常に微妙なニュアンスです。

仕事で継続的に対価を得るとなると、通常は相応の肉体的・精神的労務の提供を伴います。

ある程度の時間や労力を費やしているかということも「事業」と認定されるために必要になってくるということです。

自己の計算と危険において独立して営まれているか

最後は副業収入が事業として認められるかで最も重要なポイントともいえます。

「自己の計算」とは要するに利益を得るために自らが仕入れ値や売値などを設定して営んでいるかということです。

「自己の危険」とは、顧客に損害を与えた場合の賠償責任など事業を営んでいくうえでの危険=リスクを自らが負担しているかということです。

実際にはこれらの5つのポイントを踏まえて実態を総合的に判断していくことになります。

ですがある程度の規模と労力を費やしているということであれば、積極的に事業所得として申告していくことは可能といえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「雑所得」と「事業所得」では所得の計算方法は基本的に同じです。

収入から必要経費を引いて所得を計算するだけです。

事業所得として申告するとなると青色申告の申請ができるため、上記のような様々なメリットを享受できます。

副業収入がある程度の規模になった際には、「事業所得」として申告することを検討されてはいかがでしょうか?

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また、ある程度規模が大きくなった場合には、「事業所得」として申告する以外にも法人化して法人税を納付していくことで節税になるケースもあります。

その場合には上記のような微妙な判定も不要になりますし、青色申告のメリットもすべて享受できます(専従者給与という形ではありませんが家族へも普通に給料が払えます)。

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最後までお付き合いありがとうございました。

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ABOUT US

旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。