【コロナ経済対策横断整理】利用すべき制度と優先順位は?<元銀行員が解説>

コロナ経済支援策

こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。

コロナ経済対策って、

「融資」とか「給付金」とか「助成金」とか色々あって

どれを利用したらいいのか分からないよ…

と悩んでいる方が多いようです。

筆者のもとにも毎日のようにお客様から各種制度の内容などについて問い合わせや相談があります。

そこで今回は、

  1. 事業者が受けることのできる各種経済対策の概要(利用機会の多そうなもの)
  2. 利用すべき優先順位

について解説していきたいと思います。

今回の支援策はいずれも申請してから所定の審査を受ける必要があります。

それまでの「繋ぎ」として有効な請求書や売掛金を買い取ってくれる「ファクタリング」というサービスもあります。

入金は最短翌日と最大の特長は入金までの期間の短さです。

そうしたスピードの速さを買われてか、今回の危機によって「ファクタリング」の申込も急増しているようです。

「ファクタリング」の利用を取引先などに知られることはありませんので、まずは問い合わせてみましょう。

「ファクタリング」なら業界老舗のビートレーディングがオススメです。10万円~と少額でも買取対象となる等、業界他社にはない強みを持っています。

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制度の細かい内容については別記事でも解説していますので、今回は概要にとどめます(各記事へのリンクは説明の中に貼っておきます)。

それでは早速みていきましょう。

この記事の目次

事業者が利用できる各種制度

持続化給付金(法人200万・個人100万上限)

まず第一が「持続化給付金」です。

こちらは、

持続化給付金の概要
  • 売上が1か月でも前年同月比で▲50%以上減少した月があれば、
  • 法人で最大200万円(昨対比での減少額×12か月と200万の少ない額)
  • 個人で最大100万円(昨対比での減少額×12か月と100万の少ない額)
  • が給付される制度(返還不要)
  • 申請開始は5月1日(予定)からで、原則すべて電子申請(パソコン・スマートフォンなどでの申請)
  • 電子申請が難しい方向けの窓口は全国に設置される予定だが、完全予約制のため申請が遅くなる可能性が高い

下記記事で詳細を解説していますので、こちらもあわせてご確認ください。

コロナ持続化給付金

雇用調整助成金

雇用調整助成金は、

事業を休業したうえで、従業員へ「休業手当」や「賃金」などを支払った際に、その支払った金額を補填してくれる制度です。

雇用調整助成金の概要
  • 会社などを休業し、その間に従業員に対して一定の「休業手当」や「賃金」を払った場合
  • その支払った額の最大で10割を補填してくれる制度
  • 申請はすべて紙
  • すでに制度はスタートしているが、「書類が多すぎる」「計算が複雑」「申請が難しい」ことに加え、
  • 受託する専門家の社労士も不慣れ、
  • 受け付けるハローワークもパンク状態
  • である申請から受給までかなり長期間かかることが予想される

尚、雇用調整助成金については下記記事で解説していますので、こちらもあわせてご確認ください。

雇用調整助成金

(実質)無利子・無担保融資<政府系金融機関>

続いては(実質)無利子・無担保融資制度についてです。

こちらは「日本政策金融公庫」「商工組合中央金庫(商工中金)」といった政府系金融機関によるものです。

この後5月1日(予定)からは、こちらの制度とほぼ同様の条件での「民間金融機関」による(実質)無利子・無担保融資制度も開始する予定です。

(実質)無利子・無担保融資<政府系金融機関>
  • 「日本政策金融公庫」などの政府系金融機関による制度融資で、
  • 売上が前年同月比で▲15%以上減少した場合には、
  • 当初3年間は利子補給によって(実質)無利子・無担保で融資を受けることができる
  • また▲5%以上減少していれば、無利子とはならないが、0.4%台などの超低利(当初3年間)で融資を受けることができる
  • 元金据置(返済をしなくていい期間)を最大5年間取れることや
  • 融資期間自体も運転資金で最長15年と長いことから
  • 非常に使い勝手のいい融資制度
  • 本制度で民間金融機関の既存融資返済は不可

尚、本制度については下記記事で詳細を解説していますので、こちらもあわせてご確認ください。

(実質)無利子・無担保融資(民間金融機関)

5月1日から開始予定の制度です。

保証協会の保証付融資制度である「セーフティーネット保証」や今回創設された「危機関連保証」制度を利用した事業者が、

利子補給を受けることで当初3年間無利子で融資を受けることができる制度。

(実質)無利子・無担保融資<民間金融機関>
  • 保証協会保証付融資の「セーフティーネット保証4号・5号」「危機関連保証」制度を利用する事業者が、
  • 利子補給によって当初3年間(実質)無利子で融資を受けることができる
  • 尚且つ無利子要件を満たす場合は、保証料もゼロに減免
  • セーフティーネット4号は売上が前年同月比で▲20%以上減少
  • セーフティーネット5号は売上が前年同月比で▲5%以上減少
  • 危機関連保証は売上が前年同月比で▲15%以上減少
  • 利子補給を受けるための要件は売上が前年同月比で▲15%以上減少(個人▲5%以上

といった内容になっています。

尚、利子補給を受けられる制度は

  • 「セーフティーネット保証4号」 保証協会100%保証
  • 「セーフティーネット保証5号」 保証協会80%保証
  • 「危機関連保証」 保証協会100%保証

と3つの制度があります。

利用の優先順位は、

  1. 「危機関連保証」
  2. 「セーフティーネット保証4号」
  3. 「セーフティーネット保証5号」

となります。

これは保証協会100%保証の場合は仮に事業者が返済できなくなっても、銀行にリスクがないため(100%保証協会が返済してくれる)審査が通りやすいからです。

そもそも100%保証というのは、こういう災害時などにしか利用できない制度であり、保証協会が全額保証するから、

銀行は積極的に貸出しなさい

という政策メッセージもあるためかなり審査が緩いのです。

セーフティーネット保証4号と危機関連保証はどちらも100%保証ですが、

売上要件が危機関連保証の方が緩いという点と、危機関連保証制度は現在はコロナウイルスで影響を受けた方しか利用できないためまずはこちらの制度から利用すべきでしょう。

民間金融機関による無利子・無担保融資制度については下記記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご確認ください。

納税や社会保険料納付の猶予

個人の確定申告・納税の期限
  • 令和1年分の確定申告については、4月16日を過ぎて提出しても可
  • コロナの影響を受けた旨を申し出れば、現状は申告・納税期限とも実質無期限(とはいっても終息後2か月程度目途)に延長可
  • 納税期限は令和2年2月以降の1か月で収入が前年同月比で▲20%以上減少していれば、
  • 担保提供なし+延滞税なし最長1年間納税を猶予
  • 猶予される税目は所得税・消費税以外にも固定資産税などすべての税目、地方税も同様の取扱い
法人の確定申告・納税の期限
  • コロナの影響を受けた旨を申し出れば、現状は申告・納税期限とも実質無期限(とはいっても終息後2か月程度目途)に延長可
  • 納税期限は令和2年2月以降の1か月で収入が前年同月比で▲20%以上減少していれば、
  • 担保提供なし+延滞税なし最長1年間納税を猶予
  • 申告期限の猶予にあたっては、申告書余白(e-Taxの場合は電子申告の添付書類送付書)に、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記入するだけでOK(他に申請書類不要)、詳細は国税庁のFAQ参照
  • 納税期限の猶予にあたっては、別途税務署の審査が必要(所轄税務署に相談)
  • 猶予される税目は法人税・消費税以外にも固定資産税などすべての税目、地方税も同様の取扱い

尚、社会保険料についても令和2年度補正予算成立を条件に、上記の税金の納付猶予と同様の条件(収入▲20%以上減で無担保+延滞金なし)で最長1年間の納付猶予を

尚、社会保険料についても令和2年度補正予算成立を条件に、上記の税金の納付猶予と同様の条件(収入▲20%以上減で無担保+延滞金なし)で最長1年間の納付猶予を認める制度ができる予定です。

現状でも「換価の猶予(財産差し押さえを猶予)」や「納付の猶予」制度がありますが、要件や書類の具備が厳しく、使い勝手があまり良くありません。

そのため、上記の制度でどの程度の書類要件が緩和されるかが注目です。

※情報は令和2年4月28日現在のものです

参考:厚生労働省 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う厚生年金保険料等の納付猶予の特例について(案)

まとめ

事業者の経済支援策は大きく分けて、

  1. 貰える(持続化給付金・雇用調整助成金)、本記事黄色の枠内
  2. 借りれる(無利子・無担保融資)、本記事緑色の枠内
  3. 支払の猶予(申告・納税期限の猶予及び社会保険料納付の猶予(未定))

の3本柱になります。

このなかで全事業者が(利用できる要件に合致するなら)利用すべきなのは、

  • 持続化給付金
  • 無利子・無担保融資

の2つです。

「持続化給付金」は、

収入▲50%以上減少と一見ハードルが高そうですが、令和2年12月までの任意の1か月でスポット的にでも前年同月比で▲50%となればいいので、

意外と利用できるチャンスは大きいはずです。

返還不要で200万(個人は100万)まで貰えるので、使わない手はないでしょう。

また、電子申請のため申請から給付までは2週間程度(4月28日現在の見込)で入金とタイムラグもあまりありません。

ただし令和2年4月28日現在では、

持続化給付金は個人・法人とも課税所得となる(国税庁の見解)とのことですので、その点だけはご留意ください。

続いて「無利子・無担保融資」制度ですが、条件に合致すれば当初3年間無利子で借入できます。

しかも据置期間は最長5年(実務的には概ね2年程度が限度とされることが多い)つけられますので、終息の目途が立たない中では、

余程おカネが有り余っている事業者さん以外は、利用しておくべきでしょう(利用しなければ無利子期間中に繰上げ返済すれば問題なし)。

逆にあまりオススメしないのは、納税猶予や社会保険料の猶予です。

こちらは基本的に事業をやっていれば今年だけではなく来年も発生しますので、納付を先延ばしにしてもあまり意味はありません。

それであれば融資で調達して10年などの長い期間で払っていく方が資金繰りには有効です。

「雇用調整助成金」は利用できるのであれば、利用するに越したことはないとは思いますが、申請のハードルが高いため(しかも「休業手当」などの支払の都度申請)申請要件がさらに緩和されない限りは利用は相当難しいのではないでしょうか。

今回の政府の対策には色々と批判も集まっていますが、こと事業者の資金繰り支援という意味では決して悪いものではないと思います。

融資を待つ余裕がない場合には、請求書や売掛金を買い取ってくれる「ファクタリング」というサービスもあります。

入金は最短翌日と融資との最大の違いは入金までの期間の短さです。

そうしたスピードの速さを買われてか、今回の危機によって「ファクタリング」の申込も急増しているようです。

「ファクタリング」の利用を取引先などに知られることはありませんので、まずは問い合わせてみましょう。

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以上、最後までお付き合いありがとうございました。

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ABOUT US
うーざん
旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。