役員退職金を分割で支給する方法【手順を踏めば税務調査も安心】

一度に多額の経費を計上できることから節税対策としても人気の役員退職金。

その一方で手元にお金がない場合には当然ですが、あるだけの金額しか支払えません。

そんな時は銀行から借入するのもひとつの手ではありますが、かなりの利益を上げている会社じゃないと借入は難しいところです(設備投資などの将来の利益に繋がる資金ならともかく退職金は会社に返ってくることはありません)。

そんな方に朗報です!役員退職金は分割支給することができます!

しかも、原則としては分割で支給したとしても経費にできるタイミングは支給を決めた日の属する事業年度です。

一括で経費にできて支払は分割でもOK、こんな夢のような条件が許されているのです。

ですがやり方をひとつ間違うと、せっかく支払った退職金の大部分が退職金として認められない事態もあり得ます。

この記事を読んでポイントをしっかり押さえたうえで、分割で支払った役員退職金を全額経費にしましょう!

役員退職金の上限金額の算定方法や、支給するために必要な手続きなどは下記の記事で解説していますのでこちらもあわせてご確認くださいね!

役員退職金の上限はいくら?【会計事務所職員が解説】

役員退職金の分割は何年まで認められるか

役員退職金を分割で支給しても経費には一括でできます。

とはいえ何年でも無制限に分割できるかというと、さすがにそういうわけではありません。

では、何年くらいまでなら認められるのでしょうか?

例のごとく税法には「何年までなら認めるよ」という記載はありません。

ですが実務上は「3年以内」というところがひとつのラインとされています。

これ以上長い期間の分割となると退職金ではなく「退職年金」と認定されてしまったり、初年度以外に支給した金額はすべて「役員賞与」として経費算入が認められないという可能性もありますのでご注意ください。

ちなみに退職年金や役員賞与と認定されてしまった場合支払った会社側で法人税負担が増えるだけでなく、退職金の支給を受けた役員個人の方の税金面でも大幅に不利な取扱いとなりますので絶対に避けなければならないポイントです。

退職金を分割受取した場合の税金の取扱いについては下記記事で詳しく解説していますのでこちらもあわせてご確認ください。

退職金の一括受取vs分割受取どっちがお得!?【会計事務所職員が解説】

次は役員退職金を分割支給する際に必ず準備しなければならないことについて解説していきます。

議事録に分割支給する旨必ず記載しよう

さて、分割できる期間は概ね3年以内が目安とのことでした。

続いては税務調査で否認されないための株主総会(取締役会)の議事録の記載について解説していきます。

下記の2つの事項は外すと否認のリスクが一気に高くなってしまうため、絶対に記載しておきましょう。

分割支給をする理由

議事録には必ず「どういう理由で分割支給するのか」を記載しましょう。

このときの常套句は「資金繰りの都合」です。

過去の裁判では金融機関対策として「赤字を避けるため」といった理由で分割支給した法人が退職金の分割支給を認められなかった判例があります。

税務署は基本的に「利益調整」は認めないというスタンスです。

ですから、会社の運営上分割支給するやむを得ない理由があることをはっきり記載しておきましょう。

「いつ」支払うのかを明確に

分割支給を行う際には、「いつ」支払うのかも議事録に明記しておきましょう。

過去の判例では「残額は3年以内に支払う」といったアバウトな内容であったために認められなかったケースもあります。

議事録にはきちんと「〇年〇月〇日を第1回として、毎月(あるいは毎年)〇日に支払う」などの具体的な支払予定を記載するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

役員退職金は手順を踏めば分割で支給することも可能です。

会社の発展に大きな貢献をした役員さんには、しっかりと役員退職金を支払ってあげたいものです。

分割支給であればまとまった金額を退職金として支給することも可能になります。

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ABOUT US

旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。