【2021年最新】税務調査を受ける確率は何%?【会計事務所職員が解説】

こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。

悩める経営者

税務署が入ると必ず税金を持っていくって聞いたことがあるけど、

そもそも「税務調査」ってどのくらいの確率で入られるものなんだろう?

事業をやっていると、「税務調査」について色々気になることがありますよね。

  • 税務調査って誰が来るの?
  • 税務調査って何を見にくるの?(どんな資料を準備したらいい?)
  • 税務調査って皆一度は受けるもの?
  • 税務調査に来ると必ず税金を取られるってホント?
  • そもそも税務調査ってどのくらいの確率で入られるの?

こういった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

今回はこれらの疑問の中で、「そもそも税務調査ってどのくらいの確率で入られるの?」という疑問にお答えします。

本記事では現役会計事務所職員である筆者が、実際の税務調査立会いの経験なども踏まえながらお話していきます。

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この記事の目次

税務調査とは?

そもそも「税務調査」とは何をするものなのでしょうか?

国税庁が税法の解釈のために納税者向けに通知する「(法令解釈)通達」によると、

「調査」とは、国税(法第74条の2から法第74条の6までに掲げる税目に限る。)に関する法律の規定に基づき、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的その他国税に関する法律に基づく処分を行う目的で当該職員が行う一連の行為(証拠資料の収集、要件事実の認定、法令の解釈適用など)をいう

ということだそうです。

わかりにくいですね(笑)

要するに、

「ある納税者の(正しい)税額を認定する目的やその他国税に関する法律に基づく処分を行う目的で行われるもの」

です。

税金というのは、「収入」から「経費」を除いた「所得」に対して課されます。

したがって、「正しい収入金額」「正しい経費」の額を認定することで「正しい所得」を確定させ、最終的には「正しい税額」を課すために行われるものだということです。

その方法については別記事で解説することとして今回は割愛しますが、主として「臨場(りんじょう)」とよばれる会社の事務所などを訪問して請求書等の資料を確認したり、取引の内容や記帳の仕方について質問をすることで行います。

税務調査を受ける確率は何パーセント?

総申告件数に対する調査実施率

平成30年度の法人税の申告件数は、約293万件です。

それに対して平成30年度の調査実施件数は、約10万件です。

調査実施率は10万件÷293万件≒3.4%となります。

法人では単純計算で100社に3社程度が調査を受ける可能性がある

ということですね。

続いて個人事業主も見てみましょう。

平成30年度の個人事業主の総申告件数は約2,222万件、実に国民の6人に1人が確定申告を行っている計算です。

しかしこの中にはサラリーマンが「医療費控除」「ふるさと納税」などで税金を「還付」してもらうために行っている申告件数も相当数あります。

2,222万件の内、納税額がある件数となると約638万件と一気にその数が減ります。

この638万件に対して、平成30年度の調査実施件数は約7万件です。

調査実施率は7万件÷638万件≒1.1%となります。

個人では単純計算で100人に1人程度が調査を受ける可能性がある

ということですね。

税務調査を受ける確率は均等ではない

実は、税務調査を受ける確率は全員が同じというわけではありません。

数年おきに調査を受ける会社(あるいは個人事業主)もあれば、何十年も事業をやっていても全然調査に入られない会社もあります。

この違いは何なのでしょうか?

税務署も役所とはいえ経費をかけて調査を行うわけですから、当然効率良く税金をとる方法を考えます。

そのため、

調査をすればそれなりに「追徴税額」が見込める可能性が高い会社(個人事業主)を優先的に調査します。

例えば、上場企業などの超大手企業では隔年(1年おき)に調査が入ります。

大手企業では調査や税額の確定にも相応に時間がかかるため、毎年は入れませんが1年おきという間隔で調査を受ける場合が多いのです。

またその地域で相応の規模を有する地場の大手企業なども数年おきに必ず調査が入ります。

あるいは、過去に調査を受けて何らかの指摘を受けた企業などは再度調査を受ける可能性が高いです。

特に悪質な所得隠しをしていた場合や、改善する見込みが低いとみられる納税者などは頻繁に調査を受けることが多いです。

また、当然ですが所得(≒利益)が出ていない企業には入っても取れる税額がない可能性が高いため、税務調査を受ける可能性は低くなります。

このように税務署も、

税務調査官

ここは調査に入れば「追徴税額」を取れる可能性が高いな…

と考えられる企業に優先的に入るため、一概に

「会社なら税務調査を受ける可能性は3%程度」

「個人事業主なら税務調査を受ける可能性は1%程度」

とは言い切れない部分もあるのです。

税務調査に至らない「簡易な接触」もある

税務調査というと、

税務署の職員がドカドカ押しかけてきて職場の書類を引っかきまわしていく…

そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかしそういう調査もないわけではないですが、「税務調査」にまで至らない「簡易な接触」と呼ばれる、いわば「簡易調査」があることはあまり知られていません。

この「簡易な接触」は、

税務署の職員

「扶養控除」を取っておられる〇〇さんですが、所得が超過している可能性があり扶養とはならない可能性があります。

ご確認のうえ、必要なら修正申告を提出してくださいね。

などと「電話」「書面」で是正や確認を促すだけのものです。

このような指導に応じず放置した場合には、正式な調査に繋がるケースもありますが、ここで自主的に修正申告を提出すれば差額の税金を納付して終了となることが多いです。

ちなみに、「相続」などで「会社の経営者」など相応の資産を有すると考えられる人が亡くなった場合には、「お尋ね(正確には相続についてのお尋ね)」と呼ばれる書類が届いて、

財産状況などを確認する書類が届くこともあります。

悪意のあるなしは別として、申告をしない人への「牽制(けんせい)」的な接触をされることもあります。

こうした「簡易な接触」を含めると、実際には税務署から促されて税金を納めることになるケースはもっと多くなると考えられます。

まとめ

税務調査を受ける確率は?
  • 法人の調査実施率はおよそ3%
  • 個人事業主の調査実施率はおよそ1%
  • 税務調査を受ける可能性は均等ではない
  • 過去に追徴税額の処分を受けた企業は再度調査を受ける可能性が高くなる
  • 税務署からの接触は「電話」や「書面」などによる「簡易な接触」もある

真面目に税務申告を行っておれば、「税務調査」はさほど恐れる必要はありません。

悪意を持っていない納税者については、税務署もそれほど厳しい姿勢では対応しません。

とはいえ、素人が単独で「プロ」である税務調査官と対応することはオススメできません。

税務調査を受ける場合には税理士に同席してもらうことが認められています。

とはいえ、申告書を作ることはできても「税務調査」に弱い税理士がいることも事実です。

税務調査にはそれ相応の「経験」が必要になります。

税理士の対応の仕方で時には追徴税額に数百万円もの差がつくこともあります。

もしも税理士の対応に不安があるなら、税理士ドットコムというサイトで「税務調査に強い税理士」を探してみると良いかもしれません。

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ABOUT US
うーざん
旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。