こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
イデコ(iDeCo)って最近よく聞くけど一体何なんだろう?
主婦でも加入できるようになったみたいけど、始めたほうがいいのかな?
そんなお悩みをお持ちの方はこの記事を読めばiDeCoのことがばっちり理解できます!
どういう制度で、どんなメリットがあるのか?
そして気をつけるべき点についても現役会計事務所職員である筆者が丁寧に解説していきます。
iDeCoをやろうか悩んだらまずはこの記事を読んでメリット・デメリットをしっかり理解したうえで始めましょう!
この記事の目次
個人型確定拠出年金(iDeCo)ってどんな制度?
個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、その名前の通り「個人」で「拠出」する「年金」制度のことです。拠出というのはお金を出すということです。要は自分で積み立てる年金のことですね。積立てるだけではなく運用することもできます。
「個人型確定拠出」というややこしい名前がついているのは、元々「企業型確定拠出年金」という制度が先に導入されたからです。この「企業型確定拠出年金」については機会があれば別の記事で取り上げたいと思います。
さて、話をiDeCoに戻すと、要するに将来の年金額に不安がある方は今から自分で積立てましょう。そのために税金面で優遇措置をもうけたよ、というのがiDeCoの概要です。
毎月積み立てたお金は、株などでプロが運用する「投資信託」という商品に運用して増やすこともできます(もちろん減ることもあります)。減るのが嫌なら定期預金で運用することもできますが、この場合も注意点がありますので後ほどご説明します。
iDeCoのメリット
iDeCoのメリットを列挙すると
- 掛金が全額所得控除になるので税金が安くなる
- 運用で増えた分も非課税で受取れる
- 受取るときも一定の金額までなら非課税で受取れる可能性がある
というのがiDeCoのメリットです。
以下でひとつずつ詳しく解説していきます。
掛金が全額所得控除になるため税金が安くなる
iDeCoで積み立てた金額は、所得税を計算するうえで「所得控除」という経費になるため所得税・住民税が安くなります。
ただし当然ですが、この恩恵を受けられるのは働いて所得税・住民税を払っている方のみです。
通常は預貯金で積立ててもこうした控除は取れません。ですから将来のために積み立てておくお金であればiDeCoを活用した方がお得になるよということです。
たとえば、月1万円ずつ年間で12万円を積み立てた場合、
年収400万円の方で
所得税 6,000円 住民税 12,000円
年収500万円の方で
所得税 12,000円 住民税 12,000円
が節税額になります。
※シミュレーションにあたっては扶養や生命保険など他の控除はないものとして計算しています
尚、その他のケースについてシミュレーションしてみたい方はこちらのサイトが便利です
運用で増えた分も非課税になる
先ほどiDeCoは掛金をプロが株などで運用する「投資信託」で運用することもできるというお話をしました。
投資信託は中身が株や社債や不動産などその商品によって色々なのですが、当然価格が上がったり下がったりします。
もし運用がうまくいって積み立てた年金が増えた場合、その増えた部分の税金は免除されます。
通常、株や投資信託などで運用した利益には20.315%の所得税・住民税がかかりますが、iDeCoの運用で出た利益にはこの税金がかからないことになっています。
ですから、将来のためにご自分の資産を一部株などで運用して増やしたいという場合にもiDeCoをうまく活用することで拠出した掛金以外にも税金面で優遇が受けられるのです。
受取るときも一定の金額までは非課税で受取れる可能性がある
iDeCoを受取るときにも税金面で優遇を受けられる可能性があります。
iDeCoの受取り方は3つから選択できます。
- 一時金で受取り
- 年金として分割で受取り
- ①と②の組み合わせ
受取方によって税金の計算方法が変わり、有利・不利が出る場合があるので注意です。
以下はそれぞれの場合の税金の取扱いです。
一時金で受取った場合
一時金で受取った場合は、「退職所得」として扱われます。退職金として税金が課されるということですね。
この場合、
勤続年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円×勤続年数(80万円未満は80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
という勤続年数に応じた「退職所得控除」を引いて残った額を1/2した金額に対して税率を掛けて税金を計算します。
ただし、他にも会社から受取る退職金などがあればその額もあわせて計算することになりますのでご注意ください。
分割で年金として受取った場合
この場合は、国民年金や厚生年金などと同様「雑所得」として税金を計算することになります。
年金にも「公的年金等控除」というものがあり、この控除額は年齢によって異なります。
60~64歳の方は年間60万円、65歳以上の方は年間110万円
これを超えた場合は原則として税金がかかってきます。
また、国民年金や厚生年金などの受取がある場合にはそれらの金額もあわせて税金を計算することになりますのでご注意ください。
一般に一時金で受取った方が税金面では有利なケースが多いですが、他からの退職金や年金の受給状況にもよりますので迷う場合は専門家にご相談されることをお勧めします。
尚、一時金で受取った場合と退職金で受取った場合のメリット・デメリットについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご確認ください。
iDeCoのデメリット
さて、続いてはiDeCoの弱点について解説しています。
列挙すると
- 原則60歳まで引き出すことができない
- リスク商品で運用した場合、積立てた金額を下回る可能性がある
- 年間数千円程度の手数料がかかる
以下その内容を具体的に説明していきます。
原則60歳まで引き出すことができない
この制度は老後の資金を自分で積立てるために様々な税制優遇を受けられるというものです。
これを引き出し自由にしてしまうと、普通に預貯金をしている人との公平性に欠けてしまうためこの点は致し方ない部分ではあります。
しかし、一度積んだ掛金は60歳までは引き出せないことを理解したうえで、本当に老後のためによけておけるだけのお金で始めることが重要です。
リスク商品で運用した場合、元本割れリスクがある
繰り返しになりますが、「投資信託」というプロが株などで預けたお金を運用してくれる商品で運用することができます。
当然増えることもあれば減ってしまうこともあります。
その場合、最悪自分が積立てた金額よりも少ない金額でしか将来受取ができなくなってしまう可能性があります。
ただしこの点は、普通の株や投資信託で運用した場合でも同様ですので特にiDeCoだけのリスクというわけではありません。
年間数千円程度の手数料がかかる
iDeCoは毎年「口座管理手数料」という手数料が数千円程度(どこでやるかで手数料が異なります)かかってきます。
したがって、定期預金などの元本確定商品で運用した場合でも、この手数料によって拠出した金額を将来の受取年金額が下回ってしまう場合があります。
特に今は金利がめちゃくちゃ低いので実は定期預金でも元本割れリスクがあるのです。
とはいえ、先ほどの掛金拠出による所得税・住民税の軽減効果もありますのでその部分でこの手数料を吸収できれば実質的には元本割れは避けられることになります。
まとめ
さて、iDeCoの制度内容とメリット・デメリットについてここまでみてきました。
最大のネックは60歳まで引出しができないことではないでしょうか。
逆に言えば引き出さなくても困らないお金であれば、あまりリスクはないとも考えられます。
特徴を理解して正しく活用できれば、やる価値は十分ある制度だといえます。
ぜひ賢く活用して老後資金の積み立てを行っていただければと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。
尚、「投資の勝率を上げる」分散投資のコツについてはこちらの記事で詳しく解説しています。こちらの記事も是非あわせてご確認ください。
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