相続税がかかるのは財産いくらから?計算方法は?【会計事務所職員が解説】

はじめに

こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。

平成27年1月より相続税の基礎控除(その金額内であれば税金がかからない枠のことです)が実に▲40%も縮小され、従来の6割の水準となりました。

それ以降相続税を課税される人は年々増加しており、最新データによると平成30年に亡くなった方で相続税を課税された人は8.5%となっています(出典:国税庁 相続税の調査等の状況より)。

12人に1人ほどは相続税の申告を行っている計算になります。

こう聞くと意外と他人事ではないですね。

しかも、毎年相続税の調査は全国で12,000件以上行われており、そのうちの9割弱で申告漏れなどが指摘されています。

相続税の申告を思った以上に多くの人が行っていて、しかも申告義務があることを知らずに後に税務調査を受けて課税される人も毎年1万人以上いる

ということに驚いた方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、相続税は財産がいくらから申告が必要なのかや、相続税の計算の仕組みなど「相続税のキホン」を現役会計事務所職員である筆者が解説していきたいと思います。

相続税は財産がいくらから申告が必要?

まずは相続税の申告が必要となる財産額はいくらからなのかを説明していきます。

相続税の基礎控除

相続税には「基礎控除」というものが設定されていて、その金額の範囲内に財産額が収まっていれば相続税の申告は不要となります。

基礎控除の額は

3,000万円 + (法定相続人の数 × 00万円)

という計算式で求められます。

ということは最低でも3,600万円(相続人1名の場合)は基礎控除があることになりますので、財産額がこれ以上ある場合に相続税の申告の要否を確認することになります。

法定相続人とは

ちなみに法定相続人とは、主に配偶者と子どものことをいいます。配偶者も子どももいない場合には両親、両親もいない場合は兄弟姉妹の順に相続人となります。また養子縁組した場合の養子は子どもと同等の扱いになります。

整理すると

  1.  配偶者と子ども(子供が亡くなっている場合は孫)
  2.  ①が誰もいない場合両親(いない場合祖父母)
  3.  ①も②も誰もいない場合、兄弟姉妹

ですからドラマなどでよくある親戚が皆集まって遺産相続争い、なーんてことは現実にはまずあり得ないのですね(笑)

法定相続分とは

「法定相続分」とは、法律上その人が相続することのできると決められた割合ですが、この割合は義務ではありません。

「遺産分割協議」という相続人間の話し合いや、亡くなった方の遺言などがある場合にはその指定通り相続することも可能となりますので「法定相続分」によらない相続もできます(例えば全財産を〇〇に譲るみたいな感じです)。

法定相続分は相続人が誰かによって変わります。

具体的には

  1.  配偶者と子どもの場合、配偶者1/2 子ども全員で1/2を人数割り
  2.  配偶者と両親の場合、配偶者2/3 両親1/3
  3.  配偶者と兄弟姉妹の場合、配偶者3/4 兄弟姉妹1/4

という割合になります。配偶者は遺産形成への貢献度が最も大きいとみなされており、最低でも遺産の半分を相続する権利があります。

尚、配偶者がいない場合は次に相続順位の高い方で人数割りとなります。

ちなみに仮に遺言などで「全財産を〇〇に譲る」となっていても、法定相続分として定められている割合の1/2は「遺留分」といって法律上保護されている権利があるので裁判などを起こせばこの「遺留分」に相当する遺産は確保することが可能となります。

「遺留分」についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでこちらも是非あわせてご確認ください。

遺留分とは?相続で争わないために知っておくべきこと

相続財産の対象

相続財産は現金預金以外にも、換金性のあるほとんどすべての財産が対象となります。

具体的には

  • 現金・預貯金
  • 株式(未上場企業の株も含みます)や社債などの有価証券
  • 建物や土地などの固定資産
  • 他人や会社などへ貸付けたお金などの「金銭債権」
  • 生命保険金(みなし相続財産といって相続財産に加算されます)
  • 死亡時に勤務先から受けた「死亡退職金」など
  • 宝石や金塊などの貴金属類や絵画・骨董品など
  • 家具など
  • 車両関係
  • 事業を行っていた方は事業用の財産一式

などが相続財産として課税対象になります。ここに挙げた以外にもおよそ換金性のあるものは有形・無形問わず相続財産となり得ます(例えば特許権なども対象です)。

相続財産から控除できるもの

上記に挙げたものはいわば「正の財産(プラスの財産)」ですが、逆に「負の財産(マイナスの財産)」として相続財産から控除できるものもあります。

具体的には

  • 借入金など亡くなった方が支払うことが確定していた債務
  • 葬儀費用(香典は遺族への贈与と考えますので香典の収入内に収まった場合も控除できる)
  • 相続人が支払うはずだった税金など

が該当します。

これらの額を相続財産から控除した額が「正味の相続財産」となり、その金額が「基礎控除」を超えていた場合は相続税の申告が必要となります。

相続税の計算方法

相続税の税率は、財産の額に応じた累進税率となっていて、具体的には下表の通りです。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

控除額というのは財産総額に対応する税率を掛けたうえで控除できる金額のことです。

例えば、「正の財産」から「負の財産」を控除した「正味の相続財産」が5,000万円だった場合、

(5,000万円 × 20%) - 200万円 = 800万円

という風に計算をします。

こうした計算した額が相続人全体で納める「相続税の総額」になります。

この相続税の総額を各相続人の相続割合に応じて分担することになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

相続税のキホンについては以上になります。

もう一度おさらいすると、

  • 「基礎控除」は3,000万円+(法定相続人の数×600万円)
  • 財産から控除できる債務や葬儀費用を引いた額が基礎控除以上の場合に相続税の申告が必要
  • まず相続税の総額を計算してから、各人の相続割合に応じて按分した額を納税する

となります。

「相続」と「贈与」は表裏一体の仕組みになっています。

相続を理解するうえで「贈与」の制度や仕組みを理解しておくことは不可欠になります。

賢い「生前贈与」の活用によって、相続財産をうまく縮小することができれば不要な相続税納付や申告の負担がなくなることにも繋がります。

相続では発生してからは、もちろん事前の「相続対策」が不可欠です。相続税を抑えることができるのはもちろん、亡くなった後に相続人間で揉める「争続(あらそうぞく)」を避けるためのアドバイスなども期待できます。

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生前贈与の活用に欠かせない「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、是非こちらも是非あわせてご確認ください。

生前贈与を賢く使おう!~暦年贈与と相続時精算課税編~

最後までお付き合いありがとうございました。

相続での税理士選びなら税理士ドットコム

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ABOUT US

旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。