元利均等返済と元金均等返済の違いとは?【元銀行員が解説】

住宅ローンの借入の際、返済方法を選べることがあります。

「元利均等返済」と「元金均等返済」、一体何が違うのでしょうか?

この2つ、言葉はとってもよく似ていますが中身は結構違います。

今回はこの2つの違いと、メリット・デメリットについて元銀行員である筆者が解説していきます。

元利均等返済とは

元利均等返済とは、借入の「元」金と「利」息の合計額が返済期間を通じて「均等」になるように調整されている返済方法です。

例えば、3,500万円のローンを期間35年、金利0.83%の条件の「元利均等返済」で返済した場合の毎月の返済額は

96,051円

で全420回(12か月×35年=420)すべて同じ金額で返済することになります。

元利均等返済の場合、返済当初は元金部分よりも利息の支払が多くなる傾向があります。

上記の例の場合、第1回返済の96,051円の内

元金 71,843円 利息 24,208円

という内訳になります。

支払額96,051円の内、利息の占める割合が25%もあります。

これが、折返しの210回目の返済になると

元金 83,013円 利息 13,038円

となり、支払額96,051円の内、利息の占める割合は13%程度と第1回の半分程度になります。

各返済回数における元金・利息の内訳と、利息の占める割合は下表の通りです。

 元金利息利息の割合
第1回71,84324,20825.2%
第120回(10年)78,00418,04718.8%
第240回(20年)84,75311,29811.8%
第360回(36年)92,0853,9664.1%
第420回(最終)95,888660.1%

※最終の420回だけは端数調整の関係で支払額が96,051円にはなっていません

御覧の通りで、最初は利息が1/4も占めているのでなかなか元金は減りません。

ですから「元利均等返済」の場合、次に説明する「元金均等返済」と比べると、元金の減りが遅い分利息も含めた総返済額が多くなってしまいます。

一方で、毎月の支払額が常に一定のため家計のやりくりなどがしやすく、住宅ローンなどの個人の借入には適しています。

元金均等返済とは

では、次は「元金均等返済」についてみていきましょう。

これも内容は文字通りなのですが、

借入の「元金」の額が常に「均等」になるように調整された返済方法です。

したがって、「元金」と「利息」を合計した毎月の支払額は変動します。

「元金均等返済」の場合、返済当初の支払額が一番大きく、元金が減っていくにつれて毎月の支払額も減少していくという傾向があります。

先ほどの 3,500万円のローンを期間35年、金利0.83%の条件の「元金均等返済」で返済した場合の

毎月の「元金」の返済額は

83,334円

になります。これに利息を加えた額が毎月の支払額です。

第1回返済額は

107,543円(内利息24,209円)

です。

これが折返しの210回目の返済になると

95,496円(内利息12,162円)

となり、利息の支払額が約半分になっていますね。

これは「元金均等返済」の場合、「元金」を同じ金額で返済していくために折返しの210回目時点では元金が当初の半分になっているからです。

このように元金均等返済の返済額は基本的に最初が一番高く、返済が進むにつれて減少していきます。

先ほどの元利均等返済とは逆に、元金の減りが速いために元利均等返済と比べると利息を含めた総支払金額は少なくて済みます。

総支払金額を比較してみよう

では実際のところ、元利均等返済と元金均等返済では総支払金額にどのくらいの差が出るのでしょうか?

下表をご覧ください。

金利0.83%金利2.5%
「元利」均等返済40,341,74352,551,955
「元金」均等返済40,096,02650,349,047
差額245,7172,202,908

実は先ほどの事例の金利が0.83%の場合は、その差約24万円とほとんど差はありません。

しかし表の右側、金利が2.5%だった場合には、なんと35年間で200万円以上も差が出てしまうのです。

ですから、現在のような低金利の時代には返済計画の立てやすい「元利均等返済」の方が使い勝手が良さそうですね。

一方で金利が高い借入や事業資金などの場合には「元金均等返済」の方が向いているといえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

それぞれの特徴をもう一度まとめると

元利均等返済

  • 毎月の支払額が一定で返済計画が立てやすい
  • 最初は金利の占める割合が多くなかなか元金が減らない
  • そのため元利均等返済に比べて総支払金額が多くなってしまう

元金均等返済

  • 毎月の返済元金が一定で、それに利息を乗せて支払うため毎月の支払額は変動する
  • 当初の返済額が最も大きく、返済が進むにつれて返済額は減少していく
  • 元利均等返済に比べて元金の減りが速いため、総支払金額は少なくなる

以上、それぞれにメリット・デメリットがありますので特徴をよく理解して自分に合った返済方法を選択していただければと思います。

最後までお付き合いありがとうございました。

尚、住宅ローンの繰上げ返済について知りたいという方はこちらの記事もあわせてご確認ください。

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旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。