外貨建て保険のメリット・デメリット【元銀行員が解説】

はじめに

こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。

昔は学資保険や年金保険など、積立型の保険といえばある程度の長期間(10年以上)払い込めば受取時には2倍以上になっている

なんてこともありました。

今はマイナス金利時代になって、保険会社も高金利での運用ができなくなったためこうしたハイリターンの積立保険はなくなってしまいました。

そんななか、近年種類も増え販売額を伸ばしてきているのが米ドルや豪ドルなど外国の通貨で運用する「外貨建て保険」です。

一方で販売額の伸びと同時に、購入時に受けた説明と異なる(元本保証と聞いていたのに違ったetc)などとして「国民生活センター」などへの苦情・相談件数も相次いでいるようです。

そこで本日は、「外貨建て保険」のメリット・デメリットと、外貨建て保険が向く人・向かない人についてお話していきたいと思います。

外貨建て保険とは

そもそも外貨建て保険とはどんな商品なのでしょうか?

冒頭にも少しお話しましたが、アメリカドル(米ドル)や、オーストラリアドル(豪ドル)など外国の通貨で運用する保険のことを「外貨建て保険」といいます。

外貨建て保険のなかには「終身保険」や「年金保険」など円建ての保険と同じように色々な種類の保険があります。

外貨で運用するというのは

支払った保険料で米ドルや豪ドルなどの「外国通貨=外貨」を購入し、受取までの期間など一定の期間をその外貨で運用することになります。

なぜ外貨で運用するかというと、

  1. 日本と比べて金利が高い国の通貨で運用することで利回りが良くなる
  2. 外国通貨を安いときに購入できれば「為替差益」によって利益が出る

という2点からより高い利回りが狙えるためです。

近年、日本ではゼロ金利どころかマイナス金利時代に入り低金利がすっかり定着してしまいました。

そのため少しでも有利な運用をしようとこうした外貨建て保険の販売額が増加しているのです。

そもそも為替や「円高」「円安」についてよく分かっていない、という方はこちらの記事を先にご確認の上この記事を読んでみてください。

【今更聞けない】円高・円安ってなに?(元銀行員がわかりやすく教えます)

外貨建て保険のメリット

では、外貨建て保険のメリットとはどんなものでしょうか?

  1. 円建ての運用よりも高い利回りが期待できる
  2. 外貨預金などでは自分で為替を見て円に戻すなどしなければならないが、保険会社にお任せできる
  3. 年金保険など保険の種類によっては、「生命保険料控除」の適用によって節税メリットを享受しながら運用もできる

まず1番目の高い利回りという点については、先ほどもお話した通りです。今は世界的な低金利で高金利とされた豪ドル建てなどでも1%台の利回りとなっていますが、それでも0%に限りなく近い円建てよりは高い利回りでの運用が期待できます。

2番目については、外貨建て保険は「外貨預金」と「円建て保険」の中間のような商品です。

巷では、後でデメリットのところでもお話しますが、

「外貨建て保険」は手数料が高く、外貨運用したいなら「外国の国債」を買うか、外貨預金をすればいい

というような意見もみられます。

しかし、外貨預金では自分で為替レートなどをチェックして解約(円に戻す)タイミングなどを探る必要があります。

外国債券にしても満期到来時の為替によっては為替差損が発生してしまうため、いったん外貨預金として寝かせて為替相場が円安になったタイミングで円転(円に戻す)するなどの手続きが必要となります。

一方で外貨建て保険では商品にもよりますが、自分で設定した運用目標(預入時の120%などのようにどのくらい増やしたいかという目標)を達成した時点で自動的に円転(円に戻す)してくれる商品などもあり、

普段忙しくて為替相場のチェックや円転する手続きを行うのが難しいという方でも、これらの管理を保険会社にお任せできるため手軽に外貨での運用ができます。

しかもこうした自動で円転してくれる商品の良いところは、

為替相場が大きく変動して一瞬だけ円高に振れた

というようなケースであっても逃さず確実に円転してくれる点です。

普段仕事をしていると為替相場ばかりを気にしているわけにはいかないので、この点は大きなメリットといえます。

3番目のメリットは、「生命保険料控除」の適用により節税メリットを享受しながら運用も可能という点です。

「生命保険料控除」は円建ての保険だけではなく「外貨建て保険」でも適用できますので、契約を検討する際にはこの点も確認してみると良いでしょう。

外貨建て保険のデメリット

続いては、外貨建て保険のデメリットについてみていきたいと思います。

  1. 為替リスクがあり、受取時の為替レートなどによっては元本割れの可能性がある
  2. 保険会社に運用を任せられる分、手数料が高い
  3. 「解約時控除」という中途解約時の手数料がかなり高い(最大10%程度)

1番目は「外貨建て保険」に限った話ではありませんが、外国通貨で運用するため為替リスクがあり受取時の為替レートによっては元本割れしてしまうリスクがあります。

ある程度長期の運用期間が取れれば、金利の高さから為替リスクをある程度相殺することができますが、それでも元本割れしてしまう可能性はゼロにはなりません。

この点は円建ての「保険」などとは考えを分けて、あくまでも「運用(投資)」なのだという意識を持つことが必要です。

投資には必ずリスクがつきものです。リスクを理解できない商品には手を出さないことが投資の鉄則ですので仕組みが理解できないなと思ったら契約はしないほうがいいでしょう。

2番目は「外貨建て保険」のデメリットとしてよく言われる部分です。

先ほどメリットをお話した際にも触れましたが、

「外貨建て保険」は手数料が高く運用効率が悪いため、外貨運用をしたいなら外債投資か外貨預金にすべきだ

という意見があります。

これはある部分では事実です。

確かに外貨建て保険は購入時の手数料が高いなど高コストなのは事実です。

一方で、メリットでお話したように目標を設定し達成した瞬間に自動で円転してくれるなど、運用を保険会社にお任せできる商品もあることから、こうした運用の委託コストと考えることもできます。

何事もプロに外注すると自前で行うよりも金銭的コストが高くつくことは当然です。

一方で、時間などの目に見えないコストをお金で買えるという側面があるのもまた事実です。

このことはあくまでも個人の価値観の問題ですので、一概にどちらが良いとはいえませんが

ご自分で相場をウォッチできて、円転するタイミングなども管理できる

という方はあえて外貨建て保険で運用をする必要はないでしょう。

3番目は、中途解約をした際の「解約時控除」という手数料のようなものがかなり高い(1年で解約した場合などは10%近い)という点です。

これは、保険会社が契約者の保険料をその通貨の「国債」で運用しているため、解約時に円で返すとなると保険会社の為替リスクが大きくなるため(運用期間が短いと金利による為替リスク相殺効果も小さい)設定されているものです。

この「解約時控除」によって中途解約時の元本割れリスクが高くなってしまうことはもちろんですが、先ほどの

自動的に運用目標を達成した場合、円建てに切り替えてくれる

というようなタイプの保険の場合、その時点の為替レートによる円評価額からこの「解約時控除」を差し引いた金額で判定されるため、

運用期間が短い場合にはなかなか目標の達成が難しい

というデメリットもあります。

とはいえ、元々この世界的な低金利時代に短期間で高利回りの運用はほぼできません。

「投機」と呼ばれるような「ハイリスク・ハイリターン」の商品であれば可能ですが、当然損失の可能性も大きいです。

投資は「外貨建て保険」に限らず、「時間」という武器を味方につけることである程度リスクを抑えつつ相応のリターンを得ることが可能になります。

中途解約しなければならない可能性が高いような資金は、そもそも運用には不向きですのでご自身の資金の性格と目的を今一度確認してみることをオススメします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「外貨建て保険」は手軽に外貨での運用ができる一方、手数料が高いため

忙しくてあまり投資に時間を割けないけど、円建てより利回りの高い運用がしたい

という方にはオススメな商品といえます。

一方で、

運用成果をこまめにチェックして自分で解約のタイミングなどを判断できる

という方には、手数料分運用効率が落ちるため向いていないといえます。

保険という商品の性質上、「生命保険料控除」など他の外貨建て商品にはないメリットも享受できるので、

メリットやデメリットを正しく理解したうえで、「保険」というよりも「(ほったらかし)運用」の選択肢のひとつとして活用すると良いのではないでしょうか。

最後までお付き合いありがとうございました。

尚、「外貨建て保険」の税金の仕組みについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、こちらも是非あわせてご確認ください。

外貨建て保険の税金について【現役会計事務所職員が教えます】

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ABOUT US

旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。