こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
会社を設立したい!でも株式会社を作ればいいんだろうか?それとも他の選択肢はあるの?
そんな方必見です!本日は新設会社の約90%を占める2つの法人形態について解説します。
まずひとつめは「株式会社」。こちらは皆さんが一般にイメージされる「会社」のイメージだと思います。
もうひとつは「合同会社」。あまり耳なじまないかもしれませんが、実は新設法人の約2割はこの「合同会社」という形態をとっています。
そして、グーグルやアマゾン、そしてスーパーの西友など外資系大手企業の日本法人でも「合同会社」の形式をとっているところが多いのです。
本記事ではそんな「株式会社」と「合同会社」の違いや、メリット・デメリットについて主として合同会社の特徴を切り口にして現役会計事務所職員である筆者が解説していきたいと思います。
この記事の目次
合同会社のメリット
設立費用が安い
合同会社の最大のメリットは、株式会社と比べて設立費用が安いことでしょう。
会社を設立するためには法務局への申請などに伴う登録免許税など一定の費用が必要になりますが、合同会社の場合は最低6万円あれば設立できます。
これが株式会社となると最低でも20万円が必要になってきます。
この差が設立前の資金を少しでも節約したいときには大きなメリットとなるため、合同会社を選択される方も相当数いらっしゃいます。
組織運営の自由度が高い
株式会社と比べて、組織運営の自由度が高いことも合同会社のメリットといえます。
「定款自治」といって、定款に記載することで組織設計や議決権の配分・利益の配分など様々なことを柔軟に設計することが可能です。
こうした経営の自由度の高さが、外資系大手企業の日本法人で合同会社が採用される一因でもあります。
その点、株式会社では重要なことは株主総会の決議を経ないと変更できなかったり、そもそも会社法で制限されていたりするので、組織運営の自由度では合同会社に軍配が上がります。
利益の配分比率も自由に決められる
先ほどの自由な組織運営という話とも関連しますが、合同会社では出資比率とは関係なく定款に定めることで利益を配分します。
出資は平等にしたが、構成員(社員)の貢献度が違う、といった場合にはこの強みが効いてきます。
例えばバンドメンバーが個人事務所を合同会社形式で作ったとします。出資はメンバー5人が平等に20万円ずつ計100万円を出資したとします。
出資比率は平等ですが作詞作曲を担当するヴォーカルのメンバーKくんには全体の利益の半分を、残りのメンバーは残った半分を4等分する
といった利益配分の設定も可能になります。
株式会社では、利益配当は出資比率に応じてしか行えない為このような自由な利益処分ができる点は合同会社の強みといえます。
合同会社のデメリット
認知度が低いため信用度が低い
合同会社というと、設立費用の安さから家族経営の事業を法人化させる際などに多く採用される傾向があります。
そうした小規模な会社が多いイメージと、そもそも合同会社という名前をあまり聞いたことがないという認知度の低さが相まって株式会社と比べて社会的な信用度が低く見られがちです。
これはまったく事実に基づかないただの「イメージ」なのですが、根拠がないだけに逆に払拭が難しい部分でもあります。
そういう意味では、採用面や会社同士の取引などで不利な場面があるかもしれない点は合同会社の大きなデメリットといえます。
原則としてオーナーと経営者の切離しができない
合同会社では出資をした人が「業務執行社員」となり、会社の経営を行っていくことになります。
したがって、経営は他の人に任せて自分はオーナーとして配当だけを受取る
といったことは原則としてできません。
一方でオーナーと経営者が一体となっていることで、意思決定が早くなるというメリットもあります。
ただ、この部分に関しては家族経営などの形態でそもそもオーナーと役員(経営者)が同一だという場合にはあまり関係ありませんので、それほど気にする必要はありません。
まとめ
今回は合同会社の特徴を切り口に、株式会社との違いやそのメリット・デメリットについて取り上げてきました。
改めて整理すると
合同会社のメリット
- 設立費用が安い(最低6万円)
- 組織運営の自由度が高い
- 利益配分の設計も自由
合同会社のデメリット
- 信用度が低い(イメージ)
- オーナーと経営者の分離ができない
株式会社のメリット
- 信用度が高い
- 経営は経営者に任せ出資者として配当のみ受取ることが可能
株式会社のデメリット
- 設立費用が高い(最低20万円)
- 会社法の縛りがあり、合同会社ほど組織運営の自由度が高くない
- 利益処分は出資比率に応じた形でしかできない
となります。
ですが、ここまできて身も蓋もないことを言うようですが、小規模な経営体ではこれらのメリット・デメリットはさほど大きな違いにはなりません。
そして、もしも不都合が生じた場合はあとで組織を変更することも可能です。すなわち、合同会社⇒株式会社、株式会社⇒合同会社の変更も可能ですのであまり悩みすぎることはないかと思います。
最大のポイントは設立費用の違いと、外部からの見え方(イメージの信用度)の違いです。
この2つの違いを理解したうえで、ご自分の経営に合う組織を選択していただければと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。
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