こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
株や投資信託を売ったとき、あるいは配当などを受取ったとき、税率はいくらかご存知ですか?
株式などにかかる税金のことを「金融所得課税」といい、
平成25年末に個人の投資活性化を図るため10%に軽減されていた税率が、本来の20%に戻りました。
その後現在(令和2年3月現在)に至るまで金融所得にかかる税金は20%で据え置かれています。
金融所得に関する税金は、給料や事業などとは切り離して税金を計算する「源泉分離課税」によって税金を計算・納付しています。
多くの方にとって副収入的な位置付けであり、また富裕層ほど株などへの余剰資金の投資額が大きくなる傾向にあることから、格差是正を掲げる「財務省」からは度々増税が提案されていました。
しかし、税率が上がることでせっかく定着しつつある個人の投資活動を冷え込ませることになり、
ひいては株価下落を招くとの懸念から見送られてきた経緯があります。
しかし令和2年2月25日に行われた衆議院財務金融委員会の場で、麻生財務大臣兼金融担当大臣が
「この点に関してはやらなければいけないと思っているが、気が引けていた」「今度の政府・与党の税調の中では(中略)いくらにするかは別として、この問題について触れなくてはならないと思っている」
「週刊 税のしるべ」 令和2年3月2日版より
などと述べており、いよいよ増税に向けて本格的な検討が始まりそうな気配です。
税率については現状の20%を25%へ引き上げる線が有力とされています。
新型コロナウイルスの影響で、景気冷え込みが懸念されるなか株価の停滞に拍車をかける可能性のある金融所得課税の引き上げがどのタイミングで行われるかは予断を許さない状況ではありますが、
今回は税率25%引上げを前に、個人投資家として行える対策について投資目的ごとの最適な投資スタイルについて検討していきたいと思います。
尚、「源泉分離課税」の仕組みとメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでこちらもあわせてご確認ください(FXも株も税金の仕組みは同じです)。
この記事の目次
キャピタルゲイン狙いなら「一般NISA」へ
もしも短期的に売り抜けて「売却益(=キャピタルゲイン)」を取りに行く投資スタイルだとすれば、
一般NISAをメインで活用すべきでしょう。
一般NISAでは、NISAやiDeCoなど個人投資家向けの制度のなかで唯一個別株(要するに株のことです)に投資できる点が強みです。
また年間の投資可能枠も120万円と各制度のなかでもっとも大きい点も、キャピタルゲイン狙いの投資に向いている点です。
NISAでは配当はもちろん、売却益にかかる税金もすべて非課税となりますので、IPO(新規上場銘柄)株など値上がりが大きく期待できる銘柄を優先的にNISAで購入すると良いでしょう。
中長期での資産形成目的なら「つみたてNISA」で
中長期的な資産形成が目的の投資だとすれば、やはり「つみたてNISA」が最適な制度といえるでしょう。
同じく中長期での資産形成に向く「iDeCo(イデコ)」との最大の違いは、
中途での売却が可能か否か
でしょう。
「つみたてNISA」は中長期での資産形成を目的とする一方で、現金化が必要になった際には売却していつでも資金化が可能です。
これは「年金」や「退職金」を積み立てるという趣旨の「iDeCo(イデコ)」にはない特長となりますので、
老後資金に限定しない投資であるのなら、望んだ売却益が得られそうなら中途で売却して再度積み立てることも可能な「つみたてNISA」を選択すると良いでしょう。
NISAについてもっと詳しく知りたいという方は、こちらの記事で詳しく解説していますのでこちらもあわせてご確認ください。
老後資金の準備なら「iDeCo(イデコ)」一択で
年金だけでは不安なので、自分でも老後資金をしっかり準備しておきたい
という方なら「節税」効果も期待でき、受取時にも税金の優遇が受けられる「iDeCo(イデコ)」がオススメです。
「iDeCo(イデコ)」は正式名称を「個人型確定拠出年金制度」といい、その名のとおり個人で将来の年金を準備するための制度です。
掛金は全額「所得控除」となることから、「節税効果」も期待できるため「老後」まで引き出すことがない資金であれば「iDeCo(イデコ)」での運用を最優先にすると良いでしょう。
ただし、注意点は原則60歳になるまでは引き出すことができないため、確実に老後にとっておける資金で行うことが重要です。
このあたりは途中で引き出し可能な「つみたてNISA」とうまく使い分けると良いでしょう。
「iDeCo(イデコ)」についてもっと詳しく知りたいという方は、こちらの記事で詳しく解説していますのでこちらもあわせてご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今年の税制調査会では金融所得課税25%の引上げについて何らかの議論が行われることは麻生財務大臣が仰っていることから、ほぼ確実といえます。
利益に対する税金の割合が上がるということはそれだけリターンが悪くなるということでもあります。
これを機に、改めてご自分の投資の目的とスタイルを確認し最適な制度を活用することで、増税前に慌てて利益確定というような拙速な行動をとらないように備えることができます。
以上、最後までお付き合いありがとうございました。
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