こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
本日は知っているようで知らない「消費税の仕組み」についてお話したいと思います。
消費税というのは、「間接税」といって
税金を負担する人=消費者(モノやサービスを購入した人)
と
税金を納める人=事業者(モノやサービスを提供した人)
が異なる税金です。
お酒にかかる「酒税」やタバコにかかる「たばこ税」などがこうした「間接税」の仕組みをとっています。
逆に「所得税」や「住民税」、「法人税」などの税金は税金を負担する人と納める人が同じ「直接税」といいます。
事業をされている方にとっても消費者にとっても馴染み深い「消費税」ですが、その納税額の計算の仕組みについては
普段納税されている事業者の方でも意外と税理士さん(会計事務所)にお任せで、ご存知ない方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は消費税の納税額の計算方法の仕組みについて学んでいきたいと思います。
ですが、安心してください。
細かい計算式などには触れないで、ざっくりとした仕組みの説明にとどめます。細かい計算は税理士さんに任せてしまえばいいのです。
しかし、ざっくりとでも仕組みを理解しているのといないのとでは、今後の経営にも差が出てくるはずです。
本記事で「意外と知らない消費税の仕組み」について学んでいきましょう。
この記事の目次
消費税の納税額の計算方法
消費税の納税額は以下のように求めます。
売上などで預かった消費税(仮受消費税) - 仕入や経費で払った消費税(仮払消費税)
たとえば、1年間の収支が以下のような場合
- 売上高1,100万円(内仮受消費税100万円)
- 仕入高330万円(内仮払消費税30万円)
- 人件費300万円(内仮払消費税0円)
- 減価償却費100万円(内仮払消費税0円)
- その他経費110万円(内仮払消費税10万円)
この場合の消費税納税額は、
仮受消費税(110万円) - 仮払消費税(30万円+0+0+10万円) = 70万円
というように計算します。
ご覧いただいてわかるように、経費のなかには「人件費(給料)」や「減価償却費(10万円以上のモノを買ったときに複数年で分割で経費化するもの)」のように、
消費税をふくまない経費も存在しています。
この他にも「租税公課(税金など)」や「保険料」のように消費税を含まない経費科目はあります。
経費のなかに含まれる消費税だけを集計して、売上などで預かった消費税から引くことで納付する消費税が計算できます。
実は収入のなかにも同じように消費税が含まれないものもあります。
代表的なものは先ほども少し触れましたが国などからの「補助金」や銀行の「利子」、あるいは「地代収入」や「住宅の家賃収入」などです。他にも医療介護業界では社保や国保から入金になる「診療報酬債権」や「介護報酬債権」なども消費税が課税されないので、
「課税売上高」には含まれない収入です。
いずれにしても、税理士さんなどはこうしたすべての取引に含まれる消費税を集計して「消費税の納税額」を計算しているのです。
ですが今はこのような集計は「会計ソフト」がしてくれるので、基本的に税理士さんなどは一個一個の取引が正しい課税区分(非課税・課税の区分や、8%と10%などの税率の区分)を確認しているだけです。
消費税の計算はこのような仕組みで行われているということが、お分かりいただけたでしょうか。
「事業者は負担しない」の意味とは
続いては消費税は「事業者は負担しない」ということの意味についてみていきたいと思います。
上記はある商品(税込33万円)がメーカーから問屋、小売店を経て消費者の元へ届くまでのイメージ図です。
分かりやすくするためにこの商品以外の売上や仕入・経費などは考慮していません。
上図における消費税の流れに着目すると、
- メーカーが11万円(内仮受消費税1万円)で問屋に販売 納税額1万円
- 問屋はメーカーから11万円で仕入れ(内仮払消費税1万円)、小売店に22万円(内仮受消費税2万円)で販売 納税額1万円
- 小売店は問屋から22万円(内仮払消費税2万円)で仕入れ、33万円(内仮受消費税3万円)で消費者に販売 納税額1万円
- 消費者は33万円(内消費税3万円)で購入
最終的に消費者が負担した消費税3万円と
各工程における事業者の消費税の納税額(メーカー1万円+問屋1万円+小売店1万円)3万円
が釣り合っているのがお分かりいただけるでしょうか?
このように、
事業者は消費者からの預かり消費税を各工程で分担して納税しているだけで、あくまでも負担しているのは消費者のみ
というのが消費税の仕組みなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
消費税の納税の仕組みは複雑なようですが、理屈を理解してしまえばそれほど難しいことではありません。
また消費税が2019年10月1日に8%から10%へと増税されましたが、事業者側では負担が増えているわけではありません。
しかしながら、消費税は決算が終わってすべての「仮受消費税」と「仮払消費税」の集計が終わらないと最終的な納税額はわからないので、納付はどうしても決算の後になってしまいます。
増税により預かり分は確実に増えますので、定期積金などの積立を活用して納税資金を準備しておくことが今まで以上に重要になったとはいえます。
正しく理解して、様々なデマ情報などに振り回されないようにしたいものですね。
以上、最後までお付き合いありがとうございました。
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