この記事の目次
はじめに
こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
新型コロナウイルスによる感染症が世界中に広がりをみせ、ついにWHO(世界保健機関)によって「パンデミック(世界的大流行)」との宣言がなされました。
そんななか市場は連日大荒れで、為替相場も乱高下しています。
為替市場では米ドルや日本円などの通貨が買われています。
そんな中、ニュースなどでは「〇〇円の円高」や「××円の円安」などの表現がされています。
今さらですが、この「円高」や「円安」って何のことでしょうか?
皆さんはきちんと説明できますか?
今、「自信がない」と思ったそこのあなた、是非この記事を読んでみてください。
この記事を最後まで読んだら「円高」「円安」についてスッキリ理解できるはずです。
というわけで、本日は「円高」「円安」とはどういう状態で、経済にどんな影響があるのかを解説していきたいと思います。
なにと比べて高い・安いのか?
「円高」「円安」というからには、何かと比べて円が高かったり安かったりするということですよね。
一体何と比べて高い・安いのでしょうか?
少し考えてみてください。
・・・
ドル!
ブー、不正解です。
じゃあユーロ?
残念、それも不正解。
じゃあルーブル(ロシアの通貨)?
マニアックですね・・・もちろん違います。
正解は・・・
「昨日」の円の値段
です。
正確には「昨日」ではなく、「今」より前の円の値段ですが。
昨日より円が高くなった、5分前より円が安くなった
といった感じで過去の円の価格と比較して今の価格が「高い」か「安い」かを表しているのです。
ちなみに為替相場というのは通貨と通貨の交換レートのことで、
ドルと円との交換レートを表す場合には、
1ドル=100円
のように表現します。
米ドルを1ドル買う(交換する)ためには100円が必要になるという意味ですね。
ここまでが、そもそも「円高」「円安」とは何と比べて円が高くなったり安くなったりしたのか
というお話です。
答えは
「今」よりも前の円の価格
ですね。
「円高」「円安」とは何がどうなった状態か
「円高」や「円安」が今より過去の円よりも円の価格が高くなったり安くなったりしたことだということは分かりました。
では、高くなった・安くなったというのは具体的にどういう状態のことをいうのでしょうか?
先ほどもお話した通り、為替相場とは通貨と通貨の交換レートのことで、
1ドル=100円
のように表現します。
これが翌日になって
1ドル=90円
になったら昨日と比べて「円高」でしょうか?それとも「円安」でしょうか?
・・・
正解は
「円高」です。
ここが混乱するところですね。
100円から90円になると安くなった気がするという方も多いのではないでしょうか。
ですが思い出してください。為替相場とは「通貨と通貨の交換レート」のことです。
その交換レートにおいて、
円が昨日と比べて高くなったか安くなったか
を表した言葉が「円高」「円安」という言葉です。
交換レートが、1ドル=100円から1ドル=90円になったら、
円が昨日より高くなったと思いませんか?
なぜなら、
1ドルを買う(交換する)のに昨日は100円必要だったのに、
今日は90円で買える(交換できる)のです。
これって円の価値が昨日より高くなったということですよね。
これが「円高」ということです。昨日の円より高くなっているという状態を表します。あくまでも過去との比較でしか「高い」や「安い」ということは言えません。
ちなみにこの例の状態を
「昨日より10円円高になった」
と表現します。
逆に
昨日1ドル=100円だったのに
今日1ドル=110円になっていたら、
昨日100円で買えた(交換できた)ドルが、
今日110円出さないと買えなくなってしまった
ので「昨日より10円円安になった」
と表現します。
あくまでも過去のある一時点と比べて
交換レート上で円が高くなったか安くなったか
を表したのが「円高」「円安」という言葉であり、
決して恒常的に(あるいは一定期間継続的に)円の価値が上がっていったり、下がっていったりする状態を表しているのではありませんのでご注意ください。
つまり、こういうこともあり得ます。
5分前より1円円高だけど、
1時間前よりは3円円安
なんてことも理屈上はあり得るということなのです。
ちなみに実際の数値で表すと
「今」 :1ドル=103円だとすると
「5分前」 :1ドル=104円
「1時間前」:1ドル=100円
になります。
※通常ここまで短時間に何円も為替相場が上下することはあまりありませんがあくまでも例です
少し頭がこんがらがってきましたね(笑)
でも何となくイメージが沸けばOKです。
「円高」や「円安」は経済にどんな影響を与えるか
では「円高」や「円安」は私たちの生活にどんな影響を与えるのでしょうか?
「円」の交換レートが昨日よりも良くなるのが「円高」です。
円高になると世の中には以下のような変化があります
- 輸入品の価格が安くなる
- 原油の仕入価格も安くなるのでガソリンや灯油などが安くなる
- 輸入をたくさんしている企業は仕入れコストが下がって業績が良くなる
- 輸出企業は輸出先での商品価格が高くなり売れ行きが悪くなって業績が悪化する
- 日本株が売られやすい(日本を代表する企業はトヨタなど輸出企業が多いため)日経平均株価など国内株価が下がりやすい
- 日本での買い物が高くつくため、訪日外国人観光客が減少する
などの影響があります。
これらはすべて円の交換レートが良くなる(外国側から見るとレートが悪くなる)ため起こる変化です。
1ドル=100円のときにアメリカ人が1千ドルの予算で日本に旅行するとします。
千ドル=(100円×1,000)=10万円
この場合、日本で10万円相当の消費ができることになります。
これが1ドル=50円(極端ですが)のときだとどうでしょうか?
千ドル=(50円×1,000)=5万円
この場合、同じ千ドルの予算で5万円分の消費しかできないことになり、
アメリカから日本に旅行に来るタイミングとしては不利になります。
そのため海外旅行客が減ることになります。
他の事例でも同じことです。
日本から見るとレートが良くなって海外から購入するものが安くなるのですが、
逆に海外からみると、円高のときは何でも高くなってしまうため上記のような影響があるわけです。
円安になると上記とはまったく逆のことが起こります。
つまり、
- 輸入品の価格が高くなる
- 原油の仕入価格も高くなるのでガソリンや灯油などが高くなる
- 輸入をたくさんしている企業は仕入れコストが上がって業績が悪くなる
- 輸出企業は輸出先での商品価格が安くなり売れ行きが良くなって業績が良くなる
- 日本株が買われやすい(日本を代表する企業はトヨタなど輸出企業が多いため)日経平均株価など国内株価が上がりやすい
- 日本での買い物が安くつくため、訪日外国人観光客が増加する
という感じです。
上記はある程度継続的にある一時点の円の価格よりも円が高くなり続けていたり、安くなり続けていると
起こってくる世の中の変化になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日は初級編ということで、そもそも「円高」や「円安」という事象の概要についてお話しました。
どうして為替相場が高くなったり、安くなったり変動するのか
については、非常に複雑な要因が絡み合っていて難しいのでいずれ別の記事でお話させていただきたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。
コメントを残す