コロナ無利子・無担保融資制度の概要について【元銀行員が解説】

この記事の目次

はじめに

こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。

本日3月11日(水)、先だって安倍首相より発表のあった、

コロナ関係の支援策第2弾の具体的な内容が経済産業省より発表されました。

そのなかでも注目の

「無利子・無担保の融資制度」

「金利0.21~0.46%の超低利融資」

についてご紹介していきたいと思います。

ニュース等でご覧になっているかもしれませんが、今は申込が殺到していて融資までに1か月以上かかるケースも増えてきているようです。

融資を待つ余裕がない場合には、請求書や売掛金を買い取ってくれる「ファクタリング」というサービスもあります。

入金は最短翌日と融資との最大の違いは入金までの期間の短さです。

そうしたスピードの速さを買われてか、今回の危機によって「ファクタリング」の申込も急増しているようです。

「ファクタリング」の利用を取引先などに知られることはありませんので、まずは問い合わせてみましょう。

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「無利子・無担保融資」制度の概要

それでは早速「無利子・無担保融資」制度の中身についてみていきたいと思います。

「無利子・無担保融資」制度の概要
  • 日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度が対象の融資
  • 無利子となる期間は借入当初から3年間、それ以降は金利負担があります(借入期間3年超の場合)
  • 4年目以降の金利は1.36%(原則有担保の中小事業の場合、1.11%)
  • 実質無利子ではあるがいったんは利息を支払い、後に「利子補給」という形で利息相当額がバックされる
  • 個人事業主(フリーランス含む)は売上減少などの要件なし(影響を受けている旨の説明だけでOK)
  • 法人の場合は、原則売上が前年比(または前々年)▲20%以上減少していること
  • 法人で従業員数が一定以下(後述)の事業者は▲15%以上の減少で可
  • 借入上限は3,000万円(有担保の中小事業は1億円)まで
  • 借入期間は最長15年(元金据え置きは最長5年)、設備資金は借入期間20年まで

※売上減少が▲15%以上で利用できる小規模事業者(法人)の要件は下記の通りです

製造業、建設業、運輸業、その他業種は従業員20名以下

卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下

売上減少額が20%(小規模は15%)に満たない場合は低利融資の利用を

「無利子・無担保融資」が利用できる事業者は、売上減少が著しい事業者のみとなっており、前年(もしくは前々年)比で▲20%以上の減少をしていることが必要となります。

この要件を満たせない場合でも、

  • 売上が前年比(または前々年比)▲5%以上減少していれば
  • 当初3年間は0.46%(原則有担保の中小事業は0.21%)で融資が受けられる
  • 業歴3か月~1年1か月未満の場合は、直近の売上と比較して▲5%以上減少していればOK
  • この場合も4年目以降は金利1.36%(原則有担保の中小事業は1.11%)となる
  • その他の条件は「無利子・無担保融資」と同様

その他の支援策を含めた詳細については

経済産業省の支援策をまとめたパンフレット

に記載されていますので、ご確認ください。

尚、情報は令和2年3月11日現在のものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回の借り入れ条件は、元銀行員の筆者からみても「あり得ないほど破格の好条件」です。

巷では、

「融資では結局返済しなければならないので、中小事業者の抜本的な支援にはならない」

などといった批判もあるようですが、筆者はそんなことはないと思います。

今回の融資では、実質「無利子」で「無担保」というところが強調されがちですが(記事タイトルでも分かりやすいのでしてしまっていますが・・・)、

意外と重要なポイントは

本制度の使い勝手の良さ
  • 融資期間の長さ(最長15年)
  • 据置期間(元金を返済しないでいい期間)の長さ(最長5年)
  • そして審査の圧倒的な緩さと早さ(すでに筆者担当の顧客で早速内諾をいただいた方もいます)

です。

特に据置期間は非常にありがたいです。

例えば1千万円を

借入期間10年(内据置2年)で借入した場合、

  • 当初2年は金利も返済もなし
  • 残り8年で1千万円を返済するので毎月の元金返済額は10万5千円と利息(利息は4年目以降)

といったイメージになります。

元金返済もなく、利息もかからない間に経営を立て直すことができるため(それでもダメージは大きいですが)、十分意義のある支援策になっていると感じます。

今回の騒動は、残念ながらいまだ終わりがみえていません。

一説によると来年まで尾を引くとの話もあります。

先がみえないからこそ、手元資金を厚くして不測の事態に備えたいところです。

資金が不要であれば3年以内に繰上げ返済すれば、利息もかかりません。

今回の騒動で影響を受けた事業者の皆さまは、是非活用を検討されてはいかがでしょうか?

融資と違って「返済が不要」なサービスとして、請求書や売掛金を買い取ってくれる「ファクタリング」というサービスもあります。

入金は最短翌日と融資との最大の違いは入金までの期間の短さです。

そうしたスピードの速さを買われてか、今回の危機によって「ファクタリング」の申込も急増しているようです。

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尚、支援策第1弾としてすでに始まっている「セーフティーネット保証」などの融資制度の詳細については、こちらの記事で詳しく解説していますのでこちらも是非あわせてご確認ください。

コロナ無利子・無担保融資の申込書類記入のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

こちらの記事では、「借入額の目安」「借入期間の目安」「据置期間の目安」など実際に筆者が複数の顧客をサポートした経験から申込書類の記載ポイントを詳しく解説していますので是非こちらもあわせてご確認ください。

融資ではなく、「法人で最大200万円」「個人で最大100万円」が給付される「持続化給付金」の制度については、こちらの記事で詳しく解説していますのでこちらもあわせてご確認ください。

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うーざん
旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。