この記事の目次
はじめに
こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
(勝手に)「半沢直樹2コラボ連載企画」もいよいよ最終回です。
本日は2013年の流行語大賞も受賞したあの有名な決め台詞、
「倍返しだ!」
についてお話してみたいと思います。
現実世界の銀行で「倍返し」とまではいかずとも、上司や本部と対立するような銀行員はどれくらいいるのかについてみていきたいと思います。
また筆者の銀行員時代のエピソードなども交えながら、銀行の「支店」と「本部」の関係や、銀行の役職における「上下関係の厳しさ」などについてもお話していきたいと思います。
銀行における上司と部下の関係
近年は比較的「フラット」な組織も増えてきており、上司も部下もお互いを「さん付け」で呼ぶという企業もたくさんあります。
しかし銀行では上司のことを「さん付け」することは、あり得ません。
「〇〇課長」、「△△主任」など支店長、役員などはもちろんですが、主任以上の役職者はすべて名前+役職で呼ぶことになっていました。
筆者は一度新入行員の頃、「〇〇さん」と呼んでしまって怒られた(叱られた)のを覚えています。
しかし今の会社では皆「さん付け」でお互いを呼んでいます。
もうひとつ、銀行では「役職」が絶対です。これは他の企業でもあることかもしれませんが、たとえ10歳以上年上の人であっても、役職のみで上下関係が決まります。
10歳以上年下の課長や支店長におじさん行員が怒鳴られている光景は、銀行であればごく当たり前にどこの支店でもみられるものです。
また同じ支店長クラスでも、「店格」によって明確に上下関係があります。
「店格」って何?と思った方は、こちらの記事で詳しく解説していますのでこちらもあわせてご確認ください。
筆者が銀行にいたころは、支店長が支店長に叱られている光景も何度も見ましたね。
銀行の支店長といえば、ある意味「一国一城の主」として支店内では絶対的な権力を持っています。
前作の『半沢直樹』でも、半沢の上司である浅野支店長がその絶対的な権力を盾に、半沢と対立する姿が描かれていましたね。
支店のひとつひとつが1社の中小企業のようなもので、支店長=社長といったイメージです。そんな支店長が同じ肩書の支店長から怒鳴られているのですから、初めて見たときには衝撃的でしたね。
「支店」と「本部」の関係
銀行では「本部」が絶対的な権限を持っています。
なぜかというと、本部には支店を統括・監督するような部署や、監査する部署、融資でも支店単独では決裁できないような大口の融資などを決裁する部署などがあり、
役割上どうしても支店との上下関係ができてしまうからです。
そのため支店長クラスでも本部の行員には敬語を使っていたりします(もちろん本部にも若手行員もいますから、誰に対してもというわけではありませんが)。
前作の『半沢直樹』でも、西大阪スチールの融資の焦げ付きについて半沢を高圧的に責める本部行員の姿が描かれていましたね。
このように銀行では本部と支店の間に明確な上下関係があるのです。
筆者も銀行員時代、ある融資案件の審査で本部の審査担当とやりあったことがありました。
圧倒的メインバンクの地位にある企業に対して、散々不必要と思われるような書類の追加依頼を重ねたうえ(審査期間がその分長引きます)、
結局融資を謝絶(お断り)するにも関わらず謝絶の理由もきちんと答えられないという、理不尽すぎる対応にさすがに抗議をしました。
「ダメならダメな理由を教えてください」
というごく当たり前の主張に対して、「ダメなものはダメ」という駄々っ子のようなことしか言わない本部に業を煮やして、
「それではあなたが直接お客様に謝絶してください!」
といって電話を叩き切ってしまったのです。
支店長はその時にどうしたかというと、散々本部の対応に文句を言っていたにも関わらず、結局理由も聞かずに謝絶という審査結果を受け入れてしまいました。
その時筆者が支店長から言われた言葉が、
「本部には逆らうな」
という虚しい言葉でした。
銀行という組織の「壁」の大きさを思い知らされた出来事でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
銀行員というのは「上司」と「本部」には逆らわないよう遺伝子レベルで刷り込まれている人が多いです。
そのため半沢直樹のような、間違っていると思えば上司であろうと本部エリート相手であろうと立ち向かっていくような人はまずいません(笑)
ですがそんな現実ではあり得ないような、わかりやすい「勧善懲悪」のストーリーだからこそ、銀行員に限らず組織で理不尽な想いを抱えている人たちの心に響いたことで、
平成の民法ドラマ史上最高の視聴率を叩き出したのでしょう。
残念ながら続編の放送開始時期は未定ですが、本作でも半沢が組織に立ち向かう痛快な姿を楽しみたいと思います。
以上、最後までお付き合いありがとうございました。
コメントを残す