【半沢直樹2コラボ連載その⑤】銀行員の社宅と奥様事情<元銀行員のウラ話>

この記事の目次

はじめに

こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。

(勝手に)「半沢直樹2コラボ連載企画」第5弾は、銀行の社宅・奥様事情についてお話していきたいと思います。

前作の『半沢直樹』では、半沢の奥さんである“花”が慣れない「奥様会」に奮闘する姿もありました。

現実の銀行社宅の世界でもやはり「奥様付き合い」はあります。

今回は銀行の社宅のと社宅における奥様付き合いの事情についてお話していきたいと思います。

銀行の社宅事情

まずは銀行の「社宅事情」について理解しておきましょう。

銀行員は通常2~4年程度で転勤になります。そのため概ね「社宅」や「寮」が完備されており、今回のテーマである「奥様付き合い」や「ボロさ」などの各種事情を我慢すれば基本的に住むところには困りません。

また家賃負担もごく少額に抑えられているケースも多いため、住まいに関する福利厚生面では銀行員はそれなりに恵まれているといえます。

ちなみに独身や単身赴任の人が入るのが「寮」で、家族連れの場合に入るのが「社宅」になります。

「寮」では各部屋の仕切りはドアのみで、食堂やお風呂、トイレ、洗濯場といった様々な施設を共有することになります。

そのため同期や先輩・後輩などと仲良くなれる点はメリットです。

一方でプライバシーはあまりありませんし、彼女や友人などを連れ込むことも当然できないという点はデメリットといえるかもしれません。

それとこの辺りは銀行によっても違うと思いますが、筆者が銀行の寮にいた頃は「水道光熱費はタダ」で1日500円程度で朝晩温かい食事がついているという恵まれた条件でした。

銀行は比較的給与が高いイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、若手の頃は他の大手企業などと比べると決して給与水準が高くありませんので、このような「寮」の存在はとてもありがたかったです。

「社宅」では通常のアパートやマンションと同じかたちで独立した居住空間が確保されていて、駐車場などの一部スペースのみ共有となっています。

「社宅」では当然家族も一緒に暮らすため家族ぐるみでの付き合いも何かとあります。今回お話する「奥様付き合い」もその一環というわけですね。

ところで近年は銀行も、固定費を削減すべく自前の社宅を売却・取り壊しなどして民間のアパート・マンションなどを「借上げ社宅」として利用するケースが増えてきています。

筆者も実際に「借上げ社宅」に入居していたこともありますが、銀行員以外の住人の方が多いため「銀行の社宅」にいるという感じはまったくなく、非常に平和でした(笑)

社宅の奥様付き合い事情

さて続いては、銀行員の社宅の「奥様付き合い」事情についてみていきましょう。

夫の職位で奥様間の上下関係も決まる

奥様の上下関係は年齢や社宅にいる長さで決まるわけではありません。

夫の銀行での職位がそのまま奥様間の上下関係になります。残酷な世界ですね。

支店長の奥様はやはり「ボス」になります。近隣の複数の社宅が集まっている場合には、より「店格(てんかく)」の高い支店の支店長の奥様がトップになります。

「店格」については第3回の「銀行員の人事」についての回でお話していますので、まだご覧になっていない方はこちらも是非あわせてご確認ください。

上司の奥様に失礼があったり睨まれたりすれば、夫の職場での評価が下がってしまうかもしれません。

こうした関係が暗黙の了解でできてしまうのも仕方ないというわけですね。

社宅毎の「暗黙のルール」を破ると大変なことに…

夫の職場での上下関係がそのまま奥様同士の上下関係にも影響するというのは、どこの社宅でも共通です。

一方で「社宅毎の独自ルール」というものもあったりするため注意が必要です。

これを破ってしまうと「仲間外れ」にされたりして、とてもツラい社宅生活を送る羽目になってしまいます。

例えば筆者がいた銀行のある社宅では、

「転勤が決まったらその社宅の“ボス”の奥様の住所宛に引越し荷物を送る」

というルールがありました。

当然荷物を送る前に「今度そちらの〇〇支店に転勤になりました□□の妻の△△と申します、〇月×日にそちらに荷物を送らせていただきますので、お受取のほどよろしくお願いいたします。」というような挨拶をすることになります。

まずはここで必然的に“ボス”に挨拶をすることになります。そのうえ現地についたあとには、荷物の引取りがてら社宅の案内やルールの説明を“ボス”直々に教えてもらうという儀式があるのです。

このルールはある意味では最初にボスとコミュニケーションを取る機会があるため、親切ともいえるかもしれませんが、やはりいきなり“ボス”の自宅宛に荷物を送るというのはドキドキしますよね。

他にも「一番下っ端の奥様が共用部の雪かきをする」や、「毎週特定の曜日に奥様の例会が開催される(強制参加)」など様々な「社宅毎のローカルルール」が存在するため、転勤するごとに奥様はかなり大変な思いをすることになります。

もしあなたが銀行員で社宅に入っているならば、こうした奥様の苦労をきちんと理解しておくことで円満な夫婦関係が築けるようになるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

銀行員の社宅と奥様事情、なかなか大変なものがありますね。

昔と比べるとこうした厳しい関係は少なくなってきているようですが、平和な社宅生活が送れるかは「ボス奥様の人柄」と「どこの社宅に入るか(社宅毎でかなり縛りのキツさが違います)」によって左右されます。

なかにはこうした「社宅生活」に嫌気が差して「自宅」を購入する人や、社宅にあえて入らず自腹で近隣のアパート・マンションを借りて生活している人もいます(当然その場合には家賃補助はありません)。

さて次回(勝手に)「半沢直樹2コラボ連載企画」第6弾は、「銀行窓口が閉まったあとの銀行の様子」についてお話していきたいと思います。

お楽しみに!

以上、最後までお付き合いありがとうございました。

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ABOUT US
うーざん
旧帝国大学の経済学部を卒業後、大手地方銀行に就職。法人融資、個人への資産運用アドバイス、相続対策等の業務に従事。 より顧客の近くで仕事をしたいと一念発起し銀行を退職。会計事務所に就職し、お金にまつわる様々な顧客の悩み解決に向け日々活動している。 またファイナンシャルプランナー資格と保険販売資格も保有しており、顧客の保険見直しなどの悩み相談にも乗っている。