この記事の目次
はじめに
こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
先日担当しているお客様からこんなご相談を受けました。
「毎月支払う保険料が高いような気がするんだけど、どれか削れるものはないかな?」
実は筆者は保険の販売資格も持っているので、時々こうしたお客様の保険の相談にも乗っていたりします。
確かに支払っている保険料をみると、かなりの金額を支払っていらっしゃいました。
ひとつひとつ保険証券をみながら加入の目的を聞いていくと、「その目的にこの保険は本当に合っていますか?」というようなものがいくつも出てきて、最終的にその方はご自分で保険を見直されて今は従来の半分以下の保険料となりました。
そこで今回は、個人で加入する「医療保険」の必要な人・不要な人について考えてみたいと思います。
また、最近のトレンドを踏まえて、筆者オススメの保険についても解説していきたいと思いますので、ご自身の保険を見直すきっかけにしていただければと思います。
医療保険とは
そもそも「医療保険」とは何でしょうか?
これは被保険者の方が、ケガや病気などで「入院」や「手術」、あるいは治療のための「通院」をされた場合などに保険金がおりるというものです。
被保険者が亡くなった場合に保険金がおりる保険のことを「定期保険」や「終身保険」などといいますが、これらの保険の「特約」としてこうした入院や手術の際の保障も受けられることもあります。
ですが、多くはこうした「特約」ではきめ細かな保障が受けられないことが多いため、中途半端に「特約」でカバーしようとせず、
死亡の保障と入院などの保障は切り離して別の商品で備えたほうが良いでしょう。
医療保険に入った方がいい人とは
それでは、「医療保険」に加入した方がよい人とはどんな人なのでしょうか?
繰り返しになりますが、
「医療保険」とは、入院時や手術時、あるいは治療のための通院を行った際などに一定の保険金がおりてくるという商品です。
しかし、そうした出来事がなければ基本的に払い込んだ保険料は無駄になります。
いわゆる「掛け捨て」というやつですね。
ということは払い込んだ保険料より、もらった保険金の方が上回ればトクになります。
が、そんなことを予め分かる人はいませんよね。
そして既に病気にかかったり、血圧が高いなどそのリスクが高い人は保険に入れないか、入れたとしても他の人より高い保険料を払ったり、その病気に関しては保障が受けられないなど加入できたとしても
「条件付き」での加入しかできませんので保険でトクすることを意図して入ることはナンセンスということです。
では、どんな人が医療保険に入るべきなのでしょう?
それは貯金などの蓄えがあまりなく、突発的な支出への対応が難しい
という人です。
こうした人は万一の場合に、数万円や数十万円という支出が発生したときでも、
予め医療保険で月数百円~数千円程度の保険料を納めておくことでそうした大きな支出に対応できるようになるからです。
そもそも「保険」の機能とは、
費用の平準化
です。
将来かかるかもしれない費用を少しずつ「保険料」として積み立てておく。
ただし、自分ひとりで積み立てた場合には、十分な金額を積み立て終わる前に支払いのタイミング(病気やケガなど)が来てしまうかもしれない。
だからみんなで積み立てておいて、誰かがいつ大きな支払があっても大丈夫なようにしておきましょうね
というのが保険という商品です。
ですから、
今すぐに病気やケガなどをして大きな支払があったら困る
という方は是非とも保険に入るべきです。
よく、「お金がないから保険に入れない」という人がいますが、
お金がないひとほど、むしろ保険に入るべきなのです。
医療保険に入らなくていい人
ここまでの流れですでにお分かりの方も多いのではないでしょうか。
逆に保険に入る必要がない人というのは、
すでに十分な蓄えがあって
今すぐに病気やケガをして大きな支払があっても預貯金で支払ができる人
です。
こういう人は別に保険に入る必要はありません。
「保険」というのは先ほど申し上げた通り
費用の平準化
を目的としています。
ですから理論上は保険事故の発生確率(医療保険の場合は、加入した人が今後ケガや病気になる確率)に見合う保険料が設定されているので、
最終的にはトクも損もしない
ような設計になっています。あくまでも理論上ですが。
もちろんなかには、期待値以上の確率でケガや病気になる方もいるでしょうし、逆にまったくならない人もいるでしょう。
ですが少なくとも、
加入者全体でいえば生命保険会社が駅前に立派なビルをたくさん保有できるくらいの割合で
加入者全員への保険金支払<加入者からの保険料収入
となっていることは明らかです。
ですから、自分ですでに十分な蓄えがある人は
医療保険に加入する必要はありません。
それでも保険に入っていないと不安な方にオススメの保険3選
都道府県民共済
筆者オススメの保険、まず1番目は「都道府県民共済」です。
これは全国生協連の下部組織として各都道府県の共済生協が運営する生命共済です。
都道府県民共済のメリットは下記の通りです。
- 掛金が圧倒的に安い(月2千円で入院1日1万円の保障など)
- 毎年剰余金の割戻しがあるので掛金の20%~35%程度が戻ってくる(割戻率は都道府県毎に異なります)
- ネットや郵送のみで申込が完結
- 18歳~64歳までずっと掛金が変わらない
共済は「保険」と似ていますが、運営主体が利益を出すことを目的としていないため、毎年の「剰余金」が加入者全員に還元されます。
その割戻し率は概ね20%台半ばから35%強と高いため実質的な保険料(掛金)は千円台にも関わらず、64歳まで入院日額1万円の保障が受けられる非常にコスパが高い保険です。
デメリットを強いて挙げるとすれば、メリットの最後に挙げた18歳から64歳まで掛金が変わらないという部分です。
年齢を経れば当然病気などのリスクは高まります。通常の生命保険では年齢が上がるにつれて保険料が上がるのがふつうです。
ということは、都道府県民共済においては若い人が年配の方の保険料の一部を負担しているかたちになるため若い人はやや不利で年配の方ほど有利な商品設計となっています。
ただし、そうはいっても月千円台(割戻し後実質)で入院日額1万円の保障はかなり安いです。
あまり大きなデメリットはないといえるでしょう。
都道県民共済が気になる方はこちらのHPをご覧ください。
メディカルKitR 東京海上日動あんしん生命
続いてオススメするのは、東京海上日動あんしん生命の「メディカルKitR」です。
CMなどでご覧になったことがある方も多いかもしれませんが、この保険の最大の特長は
使わなかった保険料が将来戻ってくる
という点です。
以下がこの商品のメリットになります。
- 使わなかった保険料(払込保険料の総額から入院給付などで受取った金額を引いた額)が全額戻ってくる(掛け捨てじゃない)
- 保険料が加入時の年齢によって決まるため若いときに入ると保険料が安いまま保障を受けられる
一方デメリットは、
- 同じような保障を受けられる他社の保険と比べると保険料が割高(戻ってくるけど)
- 健康給付金(使わなかった保険料の戻り)を受取ったあと(60歳or70歳)の保障は掛け捨てになる(でも保険料は加入時の保険料で継続できる)
といったところになります。
メリットの使わなかった保険料が戻るという点は、なかなか面白いですよね。ふつう医療保険は掛け捨てですが、この商品では60歳か70歳(自分で選べます)まで払い込んだ保険料は必ず戻ってきますので
先ほどの説明を読んで「保険に入らなくていい人」に該当するけど、保険に入っていないとどうしても不安
という方にはオススメの保険です。
一方、同じような保障内容の保険で比較した場合、掛け捨ての他社の保険よりも保険料は割高になります。
これは、そもそも使わなかった保険料をすべて戻すという商品の設計上、期間中に預かった保険料を運用することで保険会社が利益を出さないと赤字になってしまうため保険料が高めの設定になっています。
最終的に戻ってくるので完全にデメリットとはいえませんが、この点は頭に入れておくと良いでしょう。
ちなみに楽天のグループ会社である「楽天生命」でも最近これとまったく同じような保険を販売しています。
メディカルKitRの詳しい商品内容については、こちらの公式HPでご確認ください。
NEWin1(ニューインワン) 日本生命
続いてご紹介するのは、日本生命の「NEWin1(ニューインワン)」という保険になります。
おそらく「オールインワン」と「入院保険」を組み合わせた商品名だと思うのですが、その名のとおり、入院に関する費用を「オールインワン」で準備できるのがこの保険の最大の特長となっています。
この商品のメリットは下記の通りです。
- 日帰り入院から給付を受け取れる
- 入院日数に関わらず、最低30日分、以降入院日数が60日、90日に達するたび1か月相当分の入院給付金が受け取れる
- 先進医療特約による給付を受けた場合、それにプラスして見舞いの家族の宿泊代など使い道自由の先進医療サポート給付金が受け取れる
- 保険請求が医師の診断書ではなく支払の「領収書」でもできるため早く請求できる
この商品のデメリットは、
- 日帰り入院でも1か月分の給付金が受け取れる=保障が過剰になるケースがある
- 保障が過剰ということは不要な保険料を払っていることになる
といったところです。
この商品の最大の特長は、日帰り入院であっても1か月分の入院給付金が受け取れるところです。
この背景には近年入院日数が短期化してきており、通院での治療が増えてきていることがあります。最近の医療保険では「通院」でも給付が受けられるものが増えてきていますが、
この商品は「通院」であろうと、お見舞いのお礼品であろうと、通院にかかるタクシー代であろうととにかく入院にかかる諸々の費用を全部これで賄ってください
という商品設計になっています。
そのため通常では給付の対象とならないような入院準備のための日用品・身の回り品の購入やお見舞いの返礼品などもこの保険でカバーできる一方で、
必要な保障額を超えた「過剰保障」となってしまうケースもあり得るところが、注意すべき点になります。
「NEWin1(ニューインワン)」の詳しい商品内容をご覧になりたい方はこちらのHPをご確認ください。
ニッセイみらいのカタチ NEWin1(入院総合保障) 日本生命公式HP
まとめ
いかがでしたでしょうか?
保険の目的をもう一度考えてみてください。
この保険は何のために入っているのだろうか?
と今一度自分自身に問いかけてみると意外とちゃんと答えられないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「万一のため」
というのは理由になっているようでなっていません。
具体的に
万一どういった状態になったら困ってしまうから、それをこの保険でカバーしたいのだ
という風にもう少し踏み込んで考えてみてください。
それが保険を見直す際のコツです。
浮いた保険料で節税ができる制度「iDeCo(イデコ)」についてご存知ですか?
個人でできる節税対策「iDeCo(イデコ)」についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでこちらも是非あわせてご確認ください。
最後までお付き合いありがとうございました。
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