この記事の目次
はじめに
こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
(勝手に)「半沢直樹2コラボ連載企画」第4弾は「銀行員の出向」についてお話していきます。
前作の『半沢直樹』では最終回に半沢が出向を命じられるという衝撃的な展開で幕を閉じました。
今回の『半沢直樹2』ではその出向先での半沢の活躍が描かれているようです。
さて、ドラマのなかではきっと半沢が「倍返しだ!」の決め台詞とともに大逆転で銀行に返り咲きなんて展開が待っているのでしょうが、
現実の世界での銀行の出向はそれほど甘くはありません。
そんなわけで今回は「銀行員の出向アレコレ」についてみていきたいと思います。
銀行員の出向は大きくわけて2種類
片道キップの出向
銀行員の出向には大きく分けて2種類あります。
ひとつがこの「片道キップの出向」になります。
名前から想像がつく通り、この「片道キップの出向」を命じられたら最後、銀行に戻ることはまず不可能です。
この片道キップの出向が発令されるケースは、
- 40歳~50歳くらいに到達した時点で、ある程度銀行での出世が頭打ちになった人
- それより若くても仕事の能力が著しく劣る人
- 銀行内部での懲戒処分などを受けた人
のいずれかになります。
このうち一番多いのが①のケースで、
一定年齢に到達した時点で「支店長」以上になれていない人は基本的に順番に出向させられるか、給料を大幅に減らされて銀行で働き続けることを選ぶことになります。
②は稀にあるケースで、筆者がこれまで聞いたなかで一番若くして出向させられた方というのは、あるメガバンクで26歳にしてこの「片道キップの出向」を命じられたというものでした。
当時は労働市場が売り手市場となり、大量採用されていましたのでこのように見切りも早かったのではないかと推察されます。
今では斜陽産業の一角に挙げられる銀行とはいえ、せっかくメガバンクに入行したにも関わらずほんの数年で出向とはなかなか厳しい世界ですね。
③の銀行内部で懲戒処分などを受けた人というのは、「懲戒免職」や「諭旨解職(ゆしかいしょく)」にまでは至らないもののこれ以上銀行で働かせるのは難しいと判断されたケースが該当します。
前作で出向を命じられた半沢も、この③のケースに近い出向といえるでしょう。
ちなみに「諭旨解職」というのは「さとして職を解く」という文字の通り、労使合意のうえ解職することです。
懲戒処分のなかで最も重い「懲戒免職」では退職金は出ませんが、「諭旨解職」の場合は職は追われるものの退職金は支給されるという違いがあります。
ひも付きの出向
銀行には「片道キップの出向」とはまったく逆の、「ひも付きの出向」という出向のかたちも存在します。
「ひも付き」とは文字通り“首輪につけられたリード”のように銀行子飼いのまま「出向」し、そこで一定の成果を挙げれば再び銀行へ戻ることができる「出世コース」の一環としての出向のことです。
この「ひも付きの出向」にも以下の2つのパターンがあります。
- 期待の若手や中堅行員を勉強のため一時的に(海外含む)子会社や、外部機関などに出向させるケース
- 経営不振の取引先などに「再建のお目付け役」として、部長や役員クラスの人材を出向させるケース
①は「ひも付きの出向」として比較的多くみられるケースです。
期待の若手や中堅行員を勉強のため銀行の海外子会社や、外部機関に出向させスキルアップさせて銀行に戻すというものです。
これは元々銀行での評価の高い行員をさらにスキルアップさせようという意図のもと行われるため、戻ってきた後は更なる出世が期待されます。
②は将来の役員候補や現役の役員クラスにみられる出向のケースです。
業況があまり良くない取引先であることに加え、貸出額が多くメインバンクであるなどその銀行にとって潰れてもらっては困る「重要な取引先」である場合などに、
その企業の「再建」をミッションとして負ったかたちで出向するケースがあります。
この場合は出世コースに乗っていることはもちろん、融資所管部で相応のポジションを経験しているなど実績と経験がある人が選ばれることになります。
そのため無事再建を果たした暁には「役員クラス」として戻るケースが多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
基本的に銀行の出向は2種類で「片道」と「ひも付き」が出向前から明確に分けられています。
そのため半沢直樹の世界のように、
大逆転で銀行に返り咲き!
なんてケースは残念ながらまずありません。
ですが現実は現実、ドラマはドラマとして
「半沢直樹2」では是非とも主人公の「倍返し」での大逆転に期待しましょう。
以上、最後までお付き合いありがとうございました。
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