この記事の目次
はじめに
こんにちは、お金のよろず屋管理人のうーざんです。
(勝手に)「半沢直樹2コラボ連載企画」もいよいよ残すところあと2回となりました。
第9弾の今回は気になる「銀行員の給与事情」についてお話していきたいと思います。
銀行員といえば世間では比較的「高級取り」なイメージでみられているのではないでしょうか?
本記事では実際のところ本当に銀行員は高級取りなのかについて、元銀行員である筆者がお話していきます。
銀行員の給与体系は性別によって異なる
女性の場合
女性行員の場合は、一般的な事務職などと比べると比較的給与水準はいい方だと思います。
しかも多くは転勤があっても地元のみ(一般職の場合)であり、地元にいたい女性にとっては銀行は魅力的な就職先のひとつといえます。
ただし全国転勤のある「総合職採用」の場合は、後述する男性の場合の給与体系と同じになります。
ちなみに私のいた銀行では、100~200名程度いる総合職(その年によって採用数が異なる)のなかで女性は5名未満というイメージでした。
大卒で大体年収270~350万円程度です(銀行の規模や残業有無によって変わります)。ちなみに筆者の奥さんも銀行の一般職出身です。高卒や短大卒だとこれより年収ベースで20~30万程度低くなるイメージですね。
ただし女性の一般職だと昇給はあまり期待できません。10年近く勤務しても昇格なしでは初任給から大幅に昇給することはありません。
一方で男社会の代表格であった銀行でも、近年は女性管理職の登用が少しずつ進んできています。
やる気のある女性は昇格も、あるいは総合職への転換も道は開けています。
女性支店長なども珍しくないので、支店長ともなれば800万~1200万円程度(これも銀行の規模や、同じ銀行でも店格によって異なります)は期待できるでしょう。
男性の場合
男性の場合は、若手の頃は他の上場企業の総合職などと比べると給与水準は決して高くはありません。
筆者も大学の同級生では若手の頃の給与は低い方でした。
しかし大体5~6年目で最初の出世(主任など)が訪れます。
そこで大体年収が大幅にアップします(50~100万程度)。
さらに早ければ7~8年目(30歳手前くらい)で800万円くらいの年収になる人も出てきます(順調に出世コースに乗っていて業績評価なども高い場合)。
そして10年目くらい(31、2歳くらい)で最初の課長(銀行によって支店長代理や支店長補佐、調査役など)が出てきます。この時点で大体年収1千万円に届きます(大手の場合)。
これらはいずれも筆者がいた銀行のケースですので、規模によっては100万~200万ほど下振れするケースもあります。一方で、これよりも大幅に上になるケースは極めて稀でしょう。
支店長になれるのは、入社時の同期に占める割合では1~2割程度です。しかし、支店長ともなれば800~1500万円程度の年収になりますので
銀行員として長くやっていく覚悟があるのであれば、まずはここを目指すべきでしょう。
さらに本部の部長や役員クラスとなれば最終的に2千万円以上も夢ではありません。
しかし同期でここに登りつめる人は1人~3人程度といったところですので、かなりの狭き門であるうえに運も求められるため、最初から目指して到達するのは難しいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
銀行員は順調に出世できれば比較的高級取りといえるでしょう。
しかしながらその高給も、すでに「斜陽産業」といわれている現在の銀行においてはいつまで保たれるのかは非常に微妙なところです。
また特に若手の頃は残業代によってもかなり年収が変動するため、近年の働き方改革で激務の割に給与はそれほどでもなく、業界としての将来性も乏しいということで優秀な若手ほど離脱してしまう傾向があります。
『半沢直樹』はバブル入行組として描かれていますが、当時の銀行(特に都市銀行、今でいうメガバンク)は支店長クラスであれば2千万円超えは当たり前でした。
その頃から比べると、投資信託や保険の販売、事業承継コンサルやM&A仲介など何でも屋よろしく業務の幅は広がったにも関わらず、給与水準は低下していることは否めません。
もしもこれから銀行へ就職しようと考えている方でこの記事を読んでいる方は、この辺りのことをよく考えてみてください。
ただし上記のように色々な業務が経験できるうえ、どの職業でも必須な「財務」に関する実践的なスキルが身に付くのは得がたいメリットといえます。
どんな仕事でもそうですが、金銭的な収入とそれ以外にその仕事でどんなものを得られるのか、あるいはどんなものを犠牲にするのか、
この辺りのバランスと自身の価値観を天秤にかけて自身の就職先を選ぶと良いのではないでしょうか。
以上、最後までお付き合いありがとうございました。
次回の(勝手に)「半沢直樹2コラボ連載企画」は最終回第10弾「銀行員が“倍返し”するとどうなるのか」です(笑)
お楽しみに!
ちなみに現在銀行に勤めている方は、こちらの記事も是非読んでみてください。筆者が銀行を退職した5年前から予想していた事態が、今現実のものとなっています。是非とも今後の選択の参考にしていただければと思います。
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